LUNA SEA終幕後、それぞれの道を歩んでいたRYUICHIとINORAN、そして元D-LOOPのキーボードのH.Hayamaという錚々たるメンバーで2005年5月に衝撃的に結成された「Tourbillon」。
7月には音源未発表のままファーストライブを武道館にて行い、9月には業界初の「プロマーシャル」という形式で華々しくデビューしたことも記憶に新しい。
その後も初の全国ツアー、そして年末のカウントダウンライブに続き、2006年も止まることを知らぬ勢いのTourbillonの"LIVE2006 TOKYO 5 NIGHTS"最終公演のレポートをお届けします。

会場となった中野サンプラザは、言うまでもなく二階席まで超満員。

定時をすぎたころ、照明がゆっくりとフェードアウトしてゆき、これから始まるTourbillonのショウへと誘なうかのように、神秘的な照明と映像、そしてSEがゆっくりとシンクロしてゆく。
そこへメンバーが一人ずつ登場し、幻想的なインストルメンタルからデビューシングル曲「HEAVEN」へとなだれ込んだ。
RYUICHIの圧倒的なボーカリゼーション、グランドピアノを中心に多種多様なキーボードを巧みに操るH.Hayama、そしてひたすらアグレッシヴにギターをかきむしるINORAN。
3つの異なる個性がぶつかり合い、かつて聞いたことがない別次元の超ハイファイサウンドを紡ぎ出してゆく。
バックを支えるサポートメンバーはドラムの沼沢尚、サックスのYUKARIE、そしてベースにはこれまでのTOKIEに代わり、本日はスペシャルゲストとして人時がプレイしている。さすがに巧者ぞろいとあってアンサンブルも完璧である。

本編ではアルバム収録曲を中心に、未発表の新曲も続々と登場するという超豪華内容で、空間を包み込み異世界へ導くかのような、他に例を見ない独特の世界観の音楽を構築してゆく。
INORANが奏でるトーンも、メインバッキングのクランチ系、コーラスを深くかけたクリーントーン、エッジーなカッティングなど、音色の数こそ少なめだが、ピックアップセレクトとピッキングニュアンスによって実に多彩なサウンドを作り出していた。

本編のハイライトとなった壮大なバラード曲「もう一度君に」では、RYUICHIがオフマイクで歌い始めた!
マイクを通さないRYUICHIの生声が会場中に響き渡る。
超満員の中野サンプラザは、あまりに突然の出来事に誰一人微動だに出来ないほどの感動に包まれた。

そしてコーラス部のラストからフルバンドが入ってくるという本日だけの超ドラマティックなライブアレンジとなっていた。
この曲でINORANはESP NEO CUSTOMの3TSを使用。
このモデルはLUNA SEA時代から使用していたもので、ファンの方にはすでにおなじみのモデルである。2週目のバース部ではINORANはこのモデルでワウをかましたクリーミーなトーンで楽曲に一段と彩りを加えていた。
この曲を境にして、一気に会場はヒートアップしていく。
続く「Hyper na blue」では、NEO CUSTOMのブラウン系のフィニッシュが登場!
これが今回のNEW GUITARである。どことなくI-LPのマローネを彷彿とさせるフィニッシュだ。基本的には従来のNEO CUSTOMと同仕様なのだが、細かい変更点としてはヘッドが新デザインとなっているほか、トラスロッドがホイールナットに変更されているのがポイントだ。
さらに続く新曲では、このNEW GUITARでディレイ&リバーブを効かせたロングサステインなソロを聞かせてくれた。
INORANがこのようなソロを弾く姿を見るのは初めてである!
そして本編のクライマックスとなった「fight」では圧巻の大盛り上がり!
INORANもステージを一週しオーディエンスを煽りまくり、ヘッドバンギングしながらギターを掻きむしる!
前半の非現実的な世界観と、後半のまさにライブ!と言うしかない熱狂のコントラストが実に見事である。
まさに静と動。サウンド的にもデジタルとアナログを高次元で融合させたもので、まさにTourbillonならではの唯一無二と言うほかない圧倒的音楽世界である。

そして本編ラストはまたしても未発表の新曲が披露された。
軽快なリズムでありながら壮大なスケール感を持ったこの曲は、まさにINORAN作曲というのも頷ける「やっぱり一筋縄ではいかない曲」であった。もう文句なしである!!
この曲のラストでは、エンディングでメンバーが一人ずつ退場していき、最後はINORANのギターがエンドレスに会場中に鳴り響くという演出で本編を締めた。

凄まじいアンコールを求める会場に、ついにメンバーが再登場!
そしてH.Hayamaのペンによる新曲が披露され、この夏にシングルリリースの予定があることがRYUICHIから発表された。
そして、今夜のラストソング「your place」。
INORANのアコギのシーケンスフレーズとクランチトーンでのカッティングが印象的なこの曲は、作詞・作曲ともにINORANによるもので、Tourbillonとファンとをつなぐ「絆」の曲である。
INORANならではの無機質と有機質が絶妙に交錯するギタープレイ、H.Hayamaの圧巻のピアノソロ、そしてRYUICHIの圧倒的表現力のボーカリゼーションという3つの光が最も高い次元で重なり合う、まさに「Tourbillon」そのものであると感じた。

全てを包み込んでしまうような大きなオーラが会場全体を包み込み、感動的にTOKYO5 NIGHTSは幕を閉じた。

今年の夏にはNEW SINGLEの発売が決定している「Tourbillon」。
今回のNEW GUITARが、これからどんな活躍を見せてくれるか非常に楽しみである。

今回ツアーで初登場したNEO CUSTOMニューバージョン・プロトタイプ(左)と、LUNA SEA時代から活躍のNEO CUSTOM 3TONE SUNBURST(右)。
サンバーストの方はLUNA SEA時代にエルボーカットに貼られていたステッカーが剥がされている。
NEW GUITARはヘッドデザインが新デザインへと進化した。
ブラウン系の色は直接木目にすり込まれたフィニッシュになっていて、かなり薄いフィニッシュとなっている。多分ギターの鳴りを考えてのフィニッシュなのだろう。
本日のみサポートベースを担当した人時が使用していたESP JBタイプのフレットレスベース。
取材・文/Akihiro Sasaki <ESP>






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