2008年12月19日、SHIBUYA-AX。
SUGIZO GIG 2008〜RISE TO COSMIC DANCE〜"と銘打たれた今夜のGIG。
今夏にソロ10年間の軌跡を集約した初のベストアルバム「COSMOSCAPE」をリリースしてから、
本当に待望のSUGIZO名義でのGIGということで、会場はもちろんソールドアウト!
開演を待つ超満員の会場はステージに向かってエネルギーを送り続けている。
今夜の主役の登場を求める声が鳴り止まないのだ!
ファンにとって今夜は、、、本当に本当に、待ちに待ったGIGなのである。

そしてついにSUGIZOが登場!
熱狂的に受け入れられると同時に、ECLIPSE V-VIIIを手におもむろに"TELL ME WHY?"がスタート!
フロアはすでに飛び跳ねまくりの熱狂の渦に包まれている!

非常に分離の良い、クリアなハイファイサウンド。
特にハイエンドのヌケが素晴らしく、SUGIZOの指先のタッチ のニュアンスがダイレクトに伝わってくる。
そのまま怒濤の勢いで"EXORCISM"に傾れ込む!
今回のバンドもスゴ腕ミュージシャンばかり!なんと総勢8人の超強力なバンドだ。
屋台骨を支えるドラムのGreg EllisとベースのFIRE。
JUNO REACTORのドラマーであるGregは、FIREとの相性もバッチリで、まさに「ワールドクラス!」で最高に心地よいタイトでグルーヴを叩きだす!
そしておなじみプログラミング&キーボードのd-kiku、ビブラフォン&パーカッションのk-ta、パーカッションのよしうらけんじ、さらにトランペットの類家心平、女性ボーカルの ORIGA、そしてなんといっても特筆すべきはサポートギタリストの鮫島 巧だ。
エレキからアコギまで、ツボを押さえたプレイでSUGIZOをバックアップする素晴らしいギタリストだ。

この超タイトなバンドに加えて、素晴らしいPA、ステージ後方全面に 施されたバックスクリーン映像、豪華な照明、、、そしてフロアの オーディエンス!
SUGIZOの放つ圧倒的オーラの元で、全てが超ハイレベルでシンクロしてゆく!

続いてS-VIII BRILLIANTを手に、"THE CAGE"のあの カッティングフレーズが鳴り響く。
10年前の音源ではジャガーのトレブリーな音になっているが、現在 は最新ギターであるS-VIII BRILLIANTのワイルドで太い音が この曲に新たな生命を吹き込んでいる。
ソロではワーミーを駆使して、まさに宇宙へとけ込むような壮大なインプロヴィゼーションを会場に解き放った。



ここでYMOの"1000 Knives"のカヴァー!YMOのトリビュートアルバムに参加したSUGIZO流アレンジだ。
S-VIIIのアームを駆使してゆるやかにビブラートをかけながらピッキングして、フレーズにエキゾチックなエッセンスを加えている。
またフレーズによってわざと過剰にかけたフェイザーサウンドや、 さらには1秒以上の超ロングディレイ等々、ギターファンにはたまらない見せ場満載の一曲であった。

ここでなんと新曲が披露された。
超ヘヴィなゴリゴリサウンドに、バックスクリーンの映像にはENOLA GAY が映し出されている。
ENOLA GAYとは、第二次世界大戦で広島に原子爆弾を投下した B-29爆撃機である。
ゴリゴリ重低音サウンドにのせて、哀しくも美麗なメロディが奏でられ、
バックスクリーンに「NO MORE NUKES , PLAY THE MUSIC」の メッセージが映し出された。

続く"DELIVER..."では鮫島のアコギ、FIREのエレキウッドベースにのせて、SUGIZOとORIGAが優雅なデュエットを聞かせてくれた。
さらに"Twisted Circle"では、ついにSUGIZOのヴァイオリンが披露された。


そして今夜のGIGの中盤のハイライトが"INITIATION OF REBELLION"である。
SUGIZOのヴァイオリンとトランペットの類家とのかけあいも鳥肌モノだ。
なんとエレキヴァイオリンにワウをかけている!
さらにセミホロウ構造のE-Vを手に取り、ウォーミーでアヴァンギャルドなソロが炸裂。
そして盛り上がり後半は完全にジャムセッションと化した!
ここでなんとSUGIZOはムチを取り出してビシビシ!っとパフォーマンス!
ステージ上にはベリーダンサーも登場して優雅な舞を披露。
鮫島もアナログディレイを発信させたりと、まさに大盛り上がりとなった!

ここで、「皆さんを最高の宇宙へご招待します」というSUGIZOのMCから「COSMOSCAPE」がスタート。
鮫島のアコギフレーズをバックに、SUGIZOのS-VIII BRILLIANTがきらびやかに輝きを放つ!
極上のサウンドと映像・照明すべてがシンクロし、会場全体が文字通り宇宙空間のアチラ側へトリップ!!!
こちらも後半部分はパーカッションによるセッションで、FIREとk- taがジャンベを持ってステージ中央へ出て来てセッション!
さらには鮫島もギターを放り出し、ジャンベでこのセッションに参加!
SUGIZOはなんと、パーカッションブースでスティック片手にパー カッションを叩きまくっている!

続く"Elan Vital"ではS-VII BRILLIANTで弾きまくり!
ここでV-VIIIに持ち替え、"嘘"、"CHEMICAL"と怒濤のクライマックスへ!
SUGIZOのソロトーンが冴え渡る!
一気に加熱してゆくフロアにさらに追い討ちをかけるかのように
"DO-FUNK DANCE"から"TELL ME WHY?"へのメドレーで本編が昇華された。

アンコールではS-VII BRILLIANTで"RISE"が炸裂!
そして"SWEET"がアコギ弾き語りから始まるスペシャルバージョンで披露された。
バックスクリーンには世界中の子供達の映像が映し出され、「NO MORE NUKES , PRAY TO MUSIC」というメッセージが映し出された。
ライブならではのドラマティックなアレンジからアウトロへ傾れ込み、天へ祈るようなリフレインが永遠に鳴り響き、
"LOVE & PEACE"がフロア全体を包み込んだ。

そして最後の最後のアンコール。
「この曲をやらないと終われない」ということで、圧倒的スケールの"Synchronicity"で幕が閉じられた。

ロック、ポップ、テクノ、ハウス、トランス、クラシック、ジャ ズ、、、もはや全てのジャンルを超越した、
「SUGIZO MUSIC」という宇宙が爆発した夜であった。


Text by Akihiro Sasaki(ESP)