優れた楽器を作るには上質な木材を使うことが絶対条件です。
美しい木肌や質感だけでなく、道具としての強度を備え、望み通りの鳴りを持つ楽器は、
長いシーズニング期間を経て、割れ、狂いのない選ばれたものである必要があります。
その選び抜かれた素材のみを元に楽器を製作できることが、カスタムオーダーの魅力の一つでもあります。
ネック・ボディマテリアル
MATERIAL

アルダー Alder
クセの少ない枯れたトーンが特徴。 PU、パーツの特性を反映しやすく安定している加工性も良い。


スワンプアッシュ Swamp Ash
ホワイトアッシュの亜種だが、重量は軽く音抜けが良い。また、シングルPUとの相性が抜群に良い。


ホワイトアッシュ White Ash
やや重いが音域のバランス、サスティーンともに良好。ベースのボディ材として特に優れている。


コリーナ Korina
木質、音質共にマホガニーに近いが、マホガニーと比べてややトレブリーで、独特の粘りに特徴がある。


ホンジュラスマホガニー Honduras Mahogany
古くからボディ材、ネック材として使用。中低域を中心とした豊かなトーンで、他の材とのラミネートも相性が良い。


マホガニー Mahogany
ホンジュラスマホガニーと同属の材。やや強度は落ちるものの、重量は若干軽めで鳴りも良い。


ハードメイプル Hard Maple
強度が高く、アタック、サスティーンに優れている。


ソフトメイプル Soft Maple
クセが少なく大人しい音質だが、独特の粘りを持つ。アルダーとメイプルの中間的木質。


ブビンガ Bubinga
硬くて重い材でその印象通りの音がする。重低音のロスがないサスティーンを持たせることが可能。


ウォルナット Walnut
独特の渋い色に魅力がある。中低音が太いという特性を持ち、ベースのボディ材として人気がある。


コア Koa
褐色の木肌は美しく、逞しい中音域と粘りを合わせ持っている。フレイム状の杢が出たものは貴重。


パドゥック Paduak
加工直後は鮮やかな赤だが、フィニッシュ後、徐々に赤褐色の落ち着いた色になる。メリハリのある中音域が特徴。


ウェンジ Wenge
独特のルックスを持ち、手触りも良いが、加工は難しい。硬くて重いが鳴りも良いという特殊な材。


ローズウッド Rosewood
硬度、手触り等、指板に求められる特性をバランスよく持っており、現在最もポピュラーな指板材。


エボニー Ebony
ローズウッドより硬度、密度が高いためサスティーンも良い。磨くと光沢が出て、滑りも良好となる。


パーフェロー Pau Ferro
エボニーの代用材として使用されるほど密度が高い。エボニーより油分を多く含んでいるので、音質的にはローズウッドに近い。

サウンドの導き出しのための木材のチョイス、コンビネーションは非常に重要です。
木材の組み合わせにより音だけでなく、視覚的にも様々な特徴をつけることができます。

単 板
単一材を使用することにより、木の個性をそのまま出します。豪華でサスティーンの良い1ピース材、接ぎ合わせることで音の暴れを抑える2ピース材、ヴィンテージを模して合わせ目をオフセットすることもできます。

トップ貼り
ボディトップとバックの材を変えることにより、相反する材の特徴を取り入れることができます。トップ材で視覚的な要素を、バック材で音響的な要素を導くことも可能です。薄いトップ材のエルボー部を湾曲させるドロップトップ工法も選択できます。

ウイング材貼り
スルーネック構造の楽器でネック材の音質にプラスして、特性をつくる需要な部分です。左右の材の組み合わせを変えることで、微妙なトーンニュアンスを作ることもできます。ネック材とウイング材の上にさらにトップを貼る2Pトップ工法も対応可能です。

指板材
ネックの剛性・音響に影響を与え、音の芯を作ります。弾き心地にも強く影響するため、感触で選ぶことも重要です。厚さ、貼り方によりサウンドの違いも出すことも出来ます。

ネック材
基本の1ピース、3ピース材の選択はもちろん、剛性を高めるために数種の材のラミネートもできます。シビアに強度を必要とする部分ですので、慎重な選択が必要です。