このページでは製品がどのように出来上がったかを、少しだけご紹介したいと思います。
まず、1999年冬、ESPマーケティング開発室内に"POTBELLYチーム"を結成。HALIBUTチームと時を同じくして、製品開発が始まりました。コンセプトは「単なる企画ものではなく、ずっと残っていくものを創る!」です。1975年の創業以来、四半世紀以上エレキギターを作ってきたトップブランドとして、エレキギターの「残すべき部分」と「改良していく部分」を徹底的に追及した答えがここにあります。


図面だけではわかりずらいので、このように薄い板で模型を作り、様々な意見を取り入れて検討を重ねました。ヘッドのデザインに関しても10種類近く設計し、またネックのジョイント部のみの模型も数種類製作しました。ESPでは普通のことですが、製品開発にあたり、予算や期限などは設定しません。「いいものができるまで、徹底的にやる」という、このご時世に考えられないようなことかもしれませんが、創業以来の伝統が今でも受け継がれているのです。
こちらは試作1号機。完成型よりも若干細めのボディシェイプをしています。試作1号機をESPのスタッフ数十名で試奏し、徹底的にダメだしをして、その度に試作機を作っては試奏する、ということを繰り返しました。この他に試作品が十数台ありますが、ここでお見せできないのが残念です

十数台の度重なる試作機を経て、もうすでに何号機か誰もわからないレベルにまで達してしまいました(笑)画像ではわかりずらいかもしれませんが、アーチ形状やブリッジの位置など、ミリ単位で変わってきているのです。

試作品は当然ですが、ほとんど職人の手作業で作られました。ちなみにこれはボディ表面のアーチを削り出しているところです。

さて、いよいよ組み込みです。エレキギター制作において、最も重要なのが実は組み込みなのです。なかなか数値化することのできない、「弾きやすさという感覚的な部分」は、やはり職人の「経験と勘」がものを言います。まさにエレキギターに命を吹き込んでいる瞬間です。

これは色を調合しているところです。POTBELLYはオールラッカーフィニッシュなので、それに合うカラーバリエーションを様々な角度から検討しました。
度重なる試作の後、ついに完成です!ESPでは、ただ音が良いだけのギターではNGです。ルックス、座って弾いたときの感触、立って弾いたときの感触、ネックのグリップの感触、最終的には「ぱっと持ったときの直感的な感触」など、数値では計りきれない部分を最も重視します。最終的にはガツンと弾いて、気持ちいいか、わるいか、それだけです。是非みなさんお店で試奏して、ESPクラフトマンのこだわりを肌で感じ取ってみてください。

■開発スタッフのコメント
スタンダードなデザインを生み出すことが、こんなに難しい事とは思ってもみませんでした。安定感があり、新しいボディシェイプというのにはホントに苦しみました。
機能的で音も良く、そして美しい。時には相反するこの要素をバランス良く仕上げたつもりです。
是非一度試してみて下さい。