YOSHIROW スペシャルインタビュー

永遠のロック少年、高橋ヨシロウ。
1970年代よりロックシーンを走り続け、メロディを大切にした日本語ならではのロックを追求し、後に「歌謡ロック」と呼ばれるジャンルを確立。またプレイヤーとしてもNOVELAではベース、ACTIONではギター&ボーカルを担当しており、そのどちらも本業と言うミュージシャンの中でも稀有であり、当社のモニターミュージシャンのなかでも前例がない存在だ。
現在でも数々のミュージシャンに多大な影響を与え続けているYOSHIROW氏が、今回JAP工房が主催するチャリティーイベントに参加が決定し、当社とのコラボレーションでチャリティーグッズを製作した。
そこで念願のインタビューを打診したところ、快く了承を頂いた。
現在、YOSHIROW氏のギター・ベースの製作を担当している林にも登場してもらい、YOSHIROW氏と当社とのコラボレーションの歴史を遡って行くことにする。


ESP:インタビューにご登場いただき、ありがとうございます!

早速ですがまず、、、
YOSHIROWさんがギターを持つきっかけからお聞かせいただけますでしょうか。


YOSHIROW:きっかけですか?

それはもう女の子にモテたかったからですよ(笑)
・・・もう邪心、驀進ですから!!!(笑)

「ギターが弾けると女の子にモテる!」っていう・・・でもみんなそうじゃないですか???


ESP:・・・・・はい・・・実は私も・・・(笑)

林:・・・・・・・実は僕もそうです・・・(笑)

一同:(笑)

YOSHIROW:みんなそうでしょ???コレじゃないっていうヤツの方がホラ吹いてますよ(笑)

ESP:たしかにそうかもしれません・・・(笑)
ちなみにその当時、影響を受けたアーティストはいらっしゃいましたか?

YOSHIROW:音楽としては最初はグループサウンズだったんですよ。あと向こうのポップスとか。
でもやはりロックとして影響を受けたのはディープパープルですね。ディープパープルを見て「マジでロックやろう!」っていう風になりましたね。


ESP:そして山水館というバンドを結成することになるわけですね?ベーシストとして。

YOSHIROW:最初はギターだったんですよ。ところがFのコードが押さえられなくて、挫折したんですよ(笑)

ESP:たしかに、Fのコードは初心者にとっては壁ですよね。。。

YOSHIROW:大きな壁ですよ!それで、コードを押さえないで弾ける楽器が、ベースというのがある、と。見てみると、ネックが長くてカッコイイわけですよ。それで、「よし!オレはベースやる!」って。
もちろんディープパープルとかクリームとかの影響もありましたね。


ESP:なるほど。そしてその後、NOVELA結成となるわけですね。

YOSHIROW:はい・・・・・いまポーンと飛びましたね(笑)

ESP:と、、、飛んじゃいました???(笑)これは大変失礼致しました。。。

林:その間けっこう長いと言えば長いですよね?山水館は当時の関西アマチュアの頂点でしたし。

YOSHIROW:まあでも、NOVELA結成が79年だから、、、ベース初めてからはほんの数年やけどね。

ESP:ベースを始めて、すぐ作曲もなさってたんですか?

YOSHIROW:アマチュア時代からずっとオリジナルでしたね。アマチュア時代から、実はいろんな仕事をしてたんですよ。関西のラジオ番組「ヤングタウン」で桂三枝さんと月亭八方さんのテーマソング「ブルーエンジェル」という曲をやったり、劇団や手品のバックとかもいろいろやりましたね。あと、当時で言うダンパとかね。

ESP:アマチュア時代からそのようなお仕事をなさっていたとは!そういった下積みがあってこそだったのですね。
当時のNOVELAのYOSHIROWさんのイメージとしては、やはりVベースというのがすごく印象が強いです。

YOSHIROW:ああ、81年ですね。

ESP:YOSHIROWさんのVベースはその後のミュージシャンに多大な影響を及ぼしてると思います。

YOSHIROW:ありがとうございます。そんな言っていただいて(笑)

林:いやいや僕も学生当時、雑誌とかであれを見てリアルタイムでびっくりしてました。
「Vのベースってあるんだ!!!」って。

ESP:あれは当時としてはかなり・・・

YOSHIROW:まあ珍しかったですよね。ちょうど81年に某G社がVベースを発売して、それをたまたま店頭で見つけてね、

・・・もう、楽器が呼ぶわけですよ。「僕を弾いてくれ!」と。


ESP&林:おお!!!


YOSHIROW:それで試奏したら、すごくよかったんで。もうオレはこれで行くんだっていう。
ちょっと人と違うこともしたかったんでね。
だいたい、昔のベーシストっていうのは、ストラップを上げてベースを上の方で構えるスタイルが多かったじゃないですか。アゴでリズムとったりとか。でも僕なんかはそうじゃないタイプだったんで。
まわりからは邪道視されましたね。
でも、どうせ言われるなら、もうとことん行ってやろうと。もうハデハデベースになってやろうと!!

ESP:なるほど!!!

YOSHIROW:当時、ほんとにハデなベースっていなかったんですよ。
だから、「ベーシストにも市民権を!」と思って。オレがやってやる!!と。

まあ、世間の風当たりは強かったですけどね最初は。
諸先輩方からは「オマエのベースは邪道だ!」と言われて。



で、
「・・・じゃあどうよ???」

っていう・・・・・・・・・・




・・・・・・シャレも入れといてくれる???(笑)

一同:(爆笑)

ESP:ええと・・・いますごい熱いお話しだったんですが、、、面白すぎます(笑)
しかし、本当にYOSHIROWさんは「ベーシストでも目立つんだ!」っていう分野を開拓なさった方ですよね!!

林:・・・やはりそれも「モテたい!」から始めたからですか?(笑)

一同:(爆笑)

YOSHIROW:やっぱりそれか!!みたいな(笑)


ESP:さて、その後82年にNOVELAを脱退、そしてACTION結成となるわけですが、これはどういう流れだったのでしょう?

YOSHIROW:これはもう、「自分にしか出来ない、日本のポップなロック」をしたくて。
でも当初、本当はベースのはずだったんですけどね。ACTIONでも。
それが、ボーカルを探してもいなかったんですよ。なかなか理想的なボーカルが。
そうしたらそのときに一緒にやってたドラムの秋田鋭次郎に「ヨシロウの歌がいい!」と、おだてられて。
「ほんと?」っていう感じでその気になって。
で、ボーカルになったんですけど、ベースを弾きながら歌うのが難しいんで、それでベースをやめたんです。


ESP:ベースだと基本的に曲中は絶えず弾いていなくてはなりませんよね。

YOSHIROW:そうなんです。未だにベース弾きながら歌うのは難しいですね。よっぽど簡単なのなら出来ますが。
でも、ずっとデンデンデンデン♪だけのベースだと、曲の世界がすごく狭まっちゃうでしょう?
だからもうベースをやめて、「楽器にとらわれず音楽家になろう!」みたいな感じですかね。

ESP:なるほど。ところでESPとのお付き合いというのはどのあたりからはじまったのですか?

YOSHIROW:お店に行ったりとかはNOVELA時代からしてましたけど、ちゃんとモニターという形で正式にお付き合いをはじめたのはACTIONからですね。もう20何年も前の話ですねえ。

ESP:当時のアルバムジャケットのクレジットを拝見させていただいたところ、当社の高橋の名前がありました。

YOSHIROW:東京に来てからは高橋さんに担当してもらってましたね。高橋と高橋ということで(笑)

林:ダブル高橋で、「どーもー♪」みたいな(笑)

YOSHIROW:漫才かい!!(笑)

一同:(爆笑)

ESP:さて、ESPとモニター契約をして最初に誕生したのがこのノーチラスですね?

YOSHIROW:そうですね。



ESPノーチラス。2004年ESP30周年を記念して本人同仕様モデルが期間限定受注販売された。




ESP:このギターのコンセプトはYOSHIROWさんご自身のアイディアによるものなんですか?

YOSHIROW:これは「海底2万マイル」に出てくるノーチラス号をモチーフにしてデザインしたんです。

ESP:ギターのボディに穴が空いているのを見たときはショッキングでした。

YOSHIROW:よく言われましたね。 すごい大昔はこういうのもあったらしいんですけど、近代にこういうのをやったのって、これが初めてじゃないかなあ。
あとこのコントロールのところはスケルトンになってるんですよ。
透明にしてあって回路が見えるようになってるんです。

ESP:このスケルトンというのは雑誌を見ただけではわかりませんでした。あと特徴としてはやはりフロイドローズですね。当時出たばっかりでしたよね。

林:当時はすんごい値段でしたよ。

ESP:さらに仕様としてはピックアップも1ハムという。

YOSHIROW:そう。シンプルで。ボディの下の方のデザインを強調したかったんで、上の方はシンプルにっていうね。

ESP:このころ、林もリアルタイムでノーチラスを見てたんじゃないですか?

林:うん。まだ学生でしたが、「ESPって、エライことするなー」って(笑)

一同:(笑)

ESP:ギターに穴開けちゃうんだ!みたいな感じですか?

林:そうそう。じゃあオレも穴開けたい!って思ってました(笑)

ESP:そして最終的にESPに入ってクラフトマンになっちゃったという・・・すごい話ですね。でもそれくらいノーチラスってショッキングだったんですよね。
さて、続いてこのインターセプターですが。。。これもまた相当ショッキングなルックスです。


ESP インターセプター。透明パーツは初期は無色のアクリルだったが、その後イエローに変更された。


透明のコントロールパネル。内部配線やコンデンサーなどが確認できる。


YOSHIROW:これはSFに出てくるいろんな乗り物のイメージを合成して、何面カットとか言いながら。ダイアモンドであるじゃないですか?カットの仕方で。
あれをやろうと思って。実はこれもスケルトンになってるんですよ。

林:先程のお話しでも出ましたが、このスケルトンの部分は基本的に光って見えるので、当時ライブや雑誌でこのギターを見ていた僕たちはみんなこれがメッキ素材だと思ってたんですよ。でも本物は透明なアクリルだったんですね。

YOSHIROW:透明パーツを付けるのが好きでね。これもESPのロゴの上に透明パーツを付けてもらって。

ESP:共通するのは、近未来的デザインといいますか・・・

YOSHIROW:そうですね。自分がSF映画とか好きなんで、そういうところからイメージを持ってきて。
そうじゃないと、例えば某F社とか某G社とかのスタンダードなボディシェイプと対抗するには、何かコンセプトがしっかりないと。あんまり似ているのをやってもしょうがないなと思って。

ESP:なるほど!それにしても着眼点がすごいです。。。ちなみにこの2本でサウンドの違いとかはありましたか?

YOSHIROW:いやこれね、この2本、結構音が似てるんですよ。だから音作りはすごい楽でしたね。
赤と白のノーチラスがずっとメインで、途中からハードな志向になったときにインターセプターに変わっていったんです。


林:そして、その後LPタイプになるんですね。

YOSHIROW:そうです。2本あって。メーターが付いてる赤いやつと普通のサンバーストっぽいやつですね。
赤い方はかなり改造しましたねえ。



LPSタイプ。フィニッシュはチェリーサンバースト。



こちらが大改造したという赤いLPSPタイプ。(写真提供:円谷プロダクション)
なお、このギターはYOSHIROW氏とともに、なんと「ウルトラマンマックス」にも出演している!

「ウルトラマンマックス」
CBC・TBS全国28局ネット「ウルトラマンマックス」第12話「超音速の追撃」にゲスト
出演したACTION !! ストーリーはテスト飛行中の戦闘ジェット・ダッシュバードが
超音速怪獣ヘイレンに急接近され墜落!ブラックボックスを解析した結果、ヘイレン
はダッシュバードのエンジン音に反応、そしてその波形はロックバンドBAD SCANNERS
(バッド・スキャナーズ/ACTION)のギターサウンドパターンとほぼ同じだった!折
りしもその日はデビューコンサート当日。現場へ急行したDASHは、BAD SCANNERSとともにヘイレン撃退に挑む!

2006.3月24日発売『ウルトラマンマックス 4』 
  バンダイビジュアル/BCBS-2385 \3,990 (税込)
<収録内容> 第11話「バラージの預言」
       第12話「超音速の追撃」
       第13話「ゼットンの娘」
       第14話「恋するキングジョー」






林:赤の方はとにかくボディが重いということで、、、穴を開けまくって軽量化したという!!(笑)

一同:(笑)

ESP:さすがエライことしちゃうメーカーですね(笑)





メーター取り付け&ボディに穴を開ける前。




ピックガード、ロッドカバー交換、軽量化のためにボディに穴あけ。
(写真提供:ダイプロ・エックス)


ステッカーの形にわざわざあわせてあるところもポイント。


コントロールパネルを追加し、真ん中には秋葉のジャンクショップで見つけたヴィンテージメーターが。。。
メーターはバッテリー残量計として機能している。もちろんお気に入りのEZQ内蔵。
メーター横のスイッチでON-OFF、あやしいコントロールノブでワウがかかる。







さて、この次のモデルから現在の担当者である林が登場するわけですね。
最初がこのVシェイプのベースですね!



ESP V-I。スルーネック構造のESP V-I青ラメの塗装で、
ボディの段差と相まってステージ映えバツグン!



ロッドカバーには「V-I」と刻印されている。



林:これはちょうどNOVELAの活動再開のタイミングということで。

YOSHIROW:そうですね。

ESP:NOVELAと言えば、Vベース!ということですね?

YOSHIROW:はい。昔使ってたVベースをモチーフに林君にアレンジしてもらって。

ESP:V-Iという名前がロッドカバーに入れられてますね。

YOSHIROW:なんかそういう名前を付けたがるんですね(笑)




ESP:さて、このVベースに続き、いよいよ現在メインでお使いのこのSLAVE-Iが登場するわけですね。



ESP SLAVE-I BLACK VERSION。


PUのマウントリングはブラス製で、古びた風合いに加工されている。


秋葉チックなコントロールノブは、もう売ってません!


ボディのフィニッシュはシルバーの上に黒を塗り、あえてその黒をはがしたもの。
イメージは武器、古びた宇宙船。プラモ界で言えばハゲチョロ塗装。
元々はYOSHIROW氏の「ボディのエッジを目立たせたい」との要望から生まれた。
このフィニッシュはのちにESP ORIGINAL SERIESのAXにも採用された。


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ヘッドももちろんオリジナルデザイン。これものちにリデザインされ、
ESP HALIBUTやESP BOTTOM LINEのヘッドの元になった。
ペグノブは見栄えの良さ、軽量化のため、パールタイプのプラスチック製。


劇団☆新感線での公演中のショット


YOSHIROW:実はこのときは、劇団☆新感線のミュージカルに出演することになって、僕がヴァンパイアの役だったんですよ。そこで、ヴァンパイアはVベースじゃないだろうと。その役に適したデザインを考えまして。カラーも黒づくめにしたかったんで、こういう形になりました。

林:ただのブラックではなく、鉄の質感を出したフィニッシュになっています。ちなみにこのフィニッシュが、現在のESPオリジナルシリーズのAXのフィニッシュに繋がってるんです。

ESP:それは初耳でした!AXのあのフィニッシュはSLAVE-Iから来ていたとは!そこにもYOSHIROWさんの影響があったんですね。
さて、このSLAVE-Iですが、デザインもさることながら、個人的にはこのピックホルダーにすごく目を惹かれました。


ESP特製のピックホルダー。指弾きとピック弾きを使い分けるYOSHIROW氏のためにつけられた特製ピックホルダー。
こういった細かいご要望にこたえるのもESPの得意技!




YOSHIROW:ピック弾きと指弾き両方やるんで。昔はピックガードにピックを挟んでたんですが、今回ピックガードは付けない、と決まったときにこれを作ってもらったんです。
しかもこのピックホルダーのネジのところは蓄光素材になっていて。
お芝居とかって、暗転になるじゃないですか。そういう真っ暗な状況でもピックホルダーの位置がわかるようになっているんです。


林:これは結構、試行錯誤しましたね。

YOSHIROW:ああでもない、こうでもないと。それにスイッチもクラシカルにしたりとか。ブリッジのところのパーツもアンティーク調にしたりとか。匠の技が光ってるよね!!!

林:恐れ入ります(笑)

ESP:音的にはいかがでしたか?

YOSHIROW:すごく太くていい音しますよ。バルトリーニピックアップもすごくいいし。パッシヴなんですけど。

林:音を聞いた方は、大抵アクティヴですか?って聞かれます。

YOSHIROW:ね!それくらい「ゴン!」とした音です。

ESP:林から聞いたんですが、完成当初は1,2弦のハイフレットがフレットレスだったそうですね。

YOSHIROW:そうなんですよ。お芝居で使うんで、「ブイーン!」って感じでハイポジで遊べたらなあって。
お芝居ではかなり活躍しましたよ!
でも、NOVELAで本格的に活動したときには、結構ハイポジ使うんで、フレットレスだと難しいんですよ(笑)そこで、林君にやっぱりフレット入れて!ってお願いして(笑)


SLAVE-I完成当時の写真。1,2弦の13フレット以降がフレットレスになっているのが確認できる。
林曰く、作ったときも再度フレットを打ち直したときも苦しんだらしい。



ESP:そうだったんですか!ところで今回、YOSHIROWさんとJAP工房さんとのコラボレーション企画ということで、このSLAVE-I黒バージョンがモチーフになっているものがあるそうですね?

YOSHIROW:そうなんですよ。JAP工房のWOOD ROCK BLOCK 69という企画で、リサイクル素材で作られた「69」のかたちをしたブロックを、僕なりにカスタマイズしてそれをチャリティーオークションにしようという企画がありまして。そこでESPさんにも協力してもらって、この黒いベースの塗装の感じを再現してもらったんです。
※WOOD ROCK BLOCK 69について詳しくはこちら

ESP:素晴らしい企画ですね!!

YOSHIROW:そうなんです。そこで、オレと林くんが組んだらコレだろう!と。
で、「ロックでロック」しようじゃないかというアイディアが出てきまして。

ESP:あっ!なるほど!そういう意味なんですか!

YOSHIROW:スペルはRとLで違いますけどね。裏には僕と林君の名前も入ってます。
あと、ダイプロ・エックスも入ってますよ(笑)
(ESP注:ダイプロ・エックスは現在ACTION、NOVELAのCDをリリースしているレコード会社様です)


「ロックでロック!」というYOSHIROW氏のイメージを形にした。


裏面も美しく!


なんと!ジョイント部はプラグとジャックでつながっているのだ!



ESP:YOSHIROWさんを通してこうしてJAP工房さんともコラボ出来るとは!ありがとうございます。
さて、この黒いバージョンの次に、青のバージョンも誕生しました。
ちなみに黒バージョンと青バージョンでサウンドの違いはありましたか?

YOSHIROW:ありますね。黒はひたすらズ太い音がしてて、青の方はバランスがいい感じです。いろんな音楽に適応できる感じで。あと文字が光ったりスイッチのところも光るようになってて。黒はシンプルにして、青はいろいろハデ目にしてみました。



ESP SLAVE-I BLUE VERSION。YOSHIROW氏がつけた呼び名は「SUPER SLAVE-I」!


「SLAVE-I」の文字がLEDによって点灯!電池喰います・・・(笑)


バルトリーニEZQ回路(パライコ的なサーキット)内蔵。ワウのような効果が出せる。


ESP:この青バージョンにはさらに、本体にワウの回路も入ってるんですよね?
これはどのように使ってらっしゃるんですか?

YOSHIROW:いろいろ使えますよ!これで音質を作ることもありますし、コードをバーン!弾いて、トリルしながらノブを動かして「ホカホカホカッ!」と言わせたり。
あとは「ジャアワーーーン!」とやったりとかエフェクティヴに使ってます。
昔は、赤のLPタイプのときだったかなあ。本物のワウを壊して回路とポットをギターのトーンの変わりに付けたんですよ。トーンなんていつもフルテンなんだし、いらないだろ、と。
そこでどうせだったらこれを付けてみようっていうことだったんです。そこから始まったアイディアですね。


林:最初のは、メチャクチャ強引に入ってましたよね(笑)

YOSHIROW:うん。ほんとにワウを壊してギターに入れましたっていう(笑)

ESP:でもそういう発想自体がすごいことだと思います。
ギターにワウを入れてしまうなんてなかなか思いつきませんよ!

YOSHIROW:何か人と違うことをしたかったんですね。

ESP:さすが一貫してらっしゃいますね。
さてお話しは戻りますが、SLAVE-Iの流れから、ギターバージョンのSLAVE-IGとなるわけですね。



ESP SLAVE-IG。ACTIONでもSLAVEを使いたい!というご要望で製作された。


EZQ内蔵。テーマは「レトロフューチャー」
"昔の人が想像した未来"のテイストが、YOSHIROW氏の好みです。




YOSHIROW:そうです。ベースを2本作っていただいて、次にギターも作りたい!というときに、じゃあもうこれはシリーズとして、ベースと同じデザインで行こう!と。
ちなみにベースとボディの大きさも一緒なんです。でも違和感ないよね?

ESP:そうですね。

YOSHIROW:またコレが音がいいですよ。匠の技が輝いてます!!

林:ありがとうございます!

YOSHIROW:このギターも光るんですよ。・・・光らないとダメなんです(笑)

ESP:クラフトマンの立場からして、こだわりポイントなどありますか?

林:これはこれで、いろいろ苦労しましたねえ。LEDを光らせることとワウの回路(EZ-Q)との電源まわりなんですが、、、どっちかというとLEDの方が電気を消費しているという(笑)

一同:(笑)

YOSHIROW:ランプもあえて古いタイプのにしたんですよ。昔のツインリバーブについてたようなやつ。
ホントはこれ入れるの大変だったんでしょ?

林:ええ。いろいろ試行錯誤して最終的には電球用のものを改良してLEDを仕込んであります。また、楽器としてのコンセプトとしては、ヴィンテージ風の音も出せて、なおかつ使いやすくて、軽くてっていう。

YOSHIROW:そう!僕の場合、軽いことはすごく大事です!

林:で、カッコよく!と。

YOSHIROW:そうそう。あと、このピックアップセレクターはかなり多用しますね。フロントのボリュームを絞っておいてスイッチング奏法で「パパパパッツ!」っとパーカッシヴにね。

ESP:このギター1本でいろんなことができるんですね!!
さて、これまでこのように20年以上にわたりESPを使っているわけですが、ここであらためてお伺いいたしますが・・・

YOSHIROWさんにとってESPとはどういう存在なのでしょう?


YOSHIROW:・・・ドラえもんだと思ってます(笑)


ESP&林:ド、、、ドラえもん!!!(笑)


YOSHIROW:「大人のオモチャ」を・・・ってこれ変な意味じゃないですよ???(笑)
ミュージシャンのいろんな夢を、匠の技で叶えてくれるギターメーカーだと思います。

ESP&林:ありがとうございます!!今後ともなにとぞよろしくお願いします!!

YOSHIROW:ついていきますから僕も(笑)

ESP:いえいえとんでもございません!!(笑)
ところで、ウワサで聞いたのですがすでに新しいモデルの構想が着々と進んでいるとか?

林:計画はあるんですが、まだなかなか。

YOSHIROW:ぼちぼち考えていこうか。

林:・・・・・・NEWノーチラスとか。。。

ESP:おお!!いいですねえ!!!

YOSHIROW:でも弾いたら怪我しそうなくらいトゲトゲだったりして(笑)

一同:(爆笑)


ESP:NEWノーチラスのみならず、今後のコラボレーションをますます楽しみにしております!!!
本日は大変お忙しいところありがとうございました!!!




ESP製品開発セクションにてクラフトマン林と



高橋ヨシロウ氏のディスコグラフィーはこちら




<リンク>
高橋ヨシロウ氏オフィシャルサイト 100000VOLT.COM

JAP工房オフィシャルサイト 



画像提供  円谷プロダクション
YOUNG GUITAR
ダイプロ・エックス


取材・文 Akihiro Sasaki(ESP)
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