ESP名物クラフトマン林宏樹のリペアよもやまレポート
レポート
【レスポールのアジャスタブルロッド交換その1】
レスポールのアジャスタブルロッド交換 その1
ネックの調整ロッドが効かないギターは案外沢山存在し、原因がはっきり分からないものが大半で、分かったところで即効性がある対処法が無い事が多く、オーナーを落胆させてしまいます
予算と時間が潤沢に有るならば色々と手はありますが、大抵の場合「仕方ありませんね…」と言う結論になりがちです
今回は「とにかく何とかしたい」と任せて頂いたので、原因を探りながら作業を進めます
原因が分からないまま作業に取り掛かるのは不安ではありますが、取り掛からないと原因は分かりません
弊社は楽器製造メーカーでもあるので、ネックのあるべき構造は把握しているため何とかなるはず…という前提でお受けしました
まずは指板を剥がし、元のロッドを掘り返してみる事から始めます
おそらく コレが原因だと漠然と掴めました
詳しくは各画像のキャプションにて…
奥の方にロッドナットがあります 一度手前で折れてしまったとの事で、トラスロッドレスキューという工具で、残っているロッドに新たな溝を入れてしのぐ工法で直されています …が、基本的にロッドが効かないから締めすぎて折れてしまった訳で、なんとか復旧したところで効かない事に変わりは無く、これもまた舐めて空転してました
機械でロッドを掘り出しました 分かったのは、通常中央部と両端で3~5mm高低差をつけて仕込まれるロッドが、どうした訳か1.5~1.8程度しか差がなかった事 そしてネックの厚さに比べて、全体的に仕込みが浅かった事 効かない要素が二つある上に、ロッドを抜いた状態でかなり順反ってます