ESP名物クラフトマン林宏樹のリペアよもやまレポート

1964年製サンダーバードのヘッド折れ その1

発売初期のGibsonオリジナルサンダーバードの修理です

生産本数が少ない上に、マトモな状態の個体が少なく、自分も触るのは初めてです

当時外部デザイナーに設計を依頼して発表した意欲作でしたが、時流に合わず売れ行きは芳しくなかったようです

ビジュアルデザインとしては、抜群の完成度ですが、重量バランスや強度に不具合があるのは事実

しかしエレキベースの主流に成らないまでも、なぜ今でも一定のニーズが有るのか

それは圧倒的な美しさと悪ガキ臭のあるルックス、独特の主張を持つ音色のせいでしょう
カーデザイナーの作品である事も頷けます

前置きはともかく今回の修理は、ひ弱なネックの補修
メイプルと比べると強度が低いマホガニーネック、強度を増すというイメージの多層ラミネート(マホガニー五層の間にウォルナットの九層)も、実際のところビジュアルデザインの趣が強く、特に強固でも無い上に、いざ折れると複雑骨折の様になり修理がやっかいです

こ多分にもれず、今回の入院ベースは2~3回の折れ修理の跡があり、なんとかこれが最後の修理となる事を祈るものでした

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