未だ王子ソロの熱狂の余韻からさめやまぬ秘密工作員です皆様こんにちは!

さあついに
「和幸(かずこう)」の初来日公演の日がやってまいりました!!
王子は若者たちとのコラボでしたが、坂崎さんは大先輩とコラボということで、こちらも興味津々どころか、やっぱり気になって気になって気になって夜も眠れませんでした。

加藤和彦氏と言えば、60年代後半にザ・フォーク・クルセダーズ(通称・フォークル)で一世を風靡し、70年代にはサディスティック・ミカ・バンドで国内外のロックシーンに多大な影響を与え、現在もミュージックシーンをリードし続けてらっしゃる
超大御所です!!
2002年と2006年には期間限定でフォークルを新(再)結成し、メンバーとして坂崎さんも加入なさっていたことも記憶に新しいですね。
そんな加藤和彦氏と坂崎さんとの新ユニットが
「和幸」なのです!!!

ギタリストとしてはもちろんですが、加藤さんと言えばそのキャリアからレコーディング技術についても造詣が深く、常に時代をリードする音作りをなさる方です。
なんでも今回の「和幸」のレコーディングはデジタルレコーディング全盛の現在に、あえて昔ながらのアナログレコーディング方式を取り入れたということで、業界も大注目です。
和幸のCDも早く聞いてみたいのですが、アルバムの発売日が本日の初来日公演!
ということでこれは会場で大至急ゲッツするしかありません!


「60〜70年代の様々な音楽を、新解釈で展開」
ホームページや雑誌など見れば見るほどその実体は謎に包まれていきます。。。
一体どのような音世界が展開されているのか、全く想像が付きません!!!
はやくこの目で確かめたい・・・・・そんな思いを胸に渋谷へゴーです!
さあ渋谷は雨上がりの絶好のコンサート日和!
秋の気配漂う、なんとも趣深い夕方です。

いつものように渋谷クラフトハウスへ行ってみると、本日かぎりの
「坂崎幸之助フェア」が絶賛開催中で、ESPの坂崎さんモデルはもちろん、TSKのアコギもものすごい大量展示してあります!
ご来店いただいた皆様、ありがとうございました!!










さて会場は渋谷公会堂・・・ではなく、改築&改名したC.C.Lemonホールです。
中に入ってみますと渋谷公会堂時代よりも内装がすごく綺麗になっており、コンサートホール内の壁も新しいものになっています。渋公時代は「時代を感じさせるロックの登竜門!」というイメージでしたが、C.C.Lemonホールとなってとても居心地の良い上品なホールとなっていました。
本日は超・超・超満員!
2階の最後列までびっちし埋まりまくっております!

さて、早速会場の熱気を計ってみることにしましょう。

ややっ!!!

こ、、、これは!!!

Dear BEATLESのときとも全く
異なる熱気です。
坂崎さんファンの皆様と加藤和彦さんファンの皆様との熱気が渦巻いていると申しましょうか。
なにかこう
混沌とした空気感が漂います。
場内に流れるインド音楽のSEをバックに、いったい「和幸」ってどんなんなの???という期待と不安がいりまじっているこの空気!
なにせアルバム発売日が今日なのですから、私も含めてファンの皆さまはほとんどの曲を知らないはずなのです。

その緊迫した空気を切り裂くように、開演前のナレーションが、、、

なにやら
ゆる〜い感じで始まっております笑。

おそらく加藤さんによる英語での「シットダウン〜、リラックス〜、エンジョイ〜」という説明から、
明らかに坂崎さんによる韓国語での「アニョハセヨ〜、スムニダ〜、チャソゲソ〜」というナレーションで会場も
大爆笑!
さらに各国語によるワールドワイドなナレーションに続いて、
ついに「和幸」が登場です!
シックなスーツ姿がクールです!!!

坂崎さんはリッケンバッカーをお手に取られております。ステージ上にはVOXのAC30がセッティングされており、なんと坂崎さんはステージ上でシールドをリッケンにおもむろにブッ挿します!
ギターを弾く方ならばおわかりだと思いますが、もちろん
「ガリガリガリ〜!」とノイズが出てしまいます。
ここからして60年代スタイル!!これはTHE ALFEEのコンサートではまずあり得ません笑。
加藤さんはチェリーサンバーストのアコギをお手に取られております。

ステージには日本人女性ドラム、異国人パーカッションお二人、日本人ピアノ、異国人オルガン、異国人ベースという多国籍なメンバーによるデジタル楽器一切なしの60年代スタイルの編成!



一曲目は「バラバラふたり」
海辺を想像させるハートフルな曲調に坂崎さんと加藤さんのツインボーカルがとても新鮮です。
ハモリのラインが3度でなぞるだけでなく、ひとつになったり違うラインを対位させて交差したりとても凝ってます。すごく凝っているのに全然難しく聞こえず、お二人のやさしい歌声とあいまって聞いていて本当に心地よいハーモニーです。
シンプルな感じに聞こえて、いざコピーしてみるとすっごい難しい!というところがさすがですね。
ソロでは坂崎さんのダブルトーンソロが素敵でした。



続いてフォーククルセイダーズの「花のかおりに」です。
昭和の香りが漂いつつも新鮮な感じです。それにしてもお二人のコーラスワークが素晴らしいです。
暖かみのあるハーモニーを聞いていると本当に癒されます。

さて、ついに待望のMCです。
坂崎さんが
「アタマ2曲、みんなどうしていいかわからないみたいだね(笑)」と笑ってらっしゃいます。
それを受けて加藤さんが
「これからさらに奇怪なことが起こりますから!(笑)」とさらにアオってくださいます。一体何が起こるんですかっ笑。

加藤さん曰く、60〜70年代の曲は短いのが多いということで、さくさく演奏してしまうとあっという間にコンサートが終わってしまうのだそうです笑。
というわけでお二人の60〜70年代にまつわる楽しいトークを交えながら「Censored Mail」へ。

坂崎さんはTSKの黒の12弦をお手に取られております。加藤さんはマーチンです。
なんともムーディなナンバーで、お二人の低音ボイスにうっとりです。
ちょっぴりオトナなアバンギャルドな空間が展開されました。

加藤さん曰く、「この曲はビバリーヒルズに住んでいた時にバート・バカラックがコーラを飲みに来たときにおいていった曲・・・という設定になってます(笑)」とのこと。
「当時の曲は転調が多かったんですよねえ」としみじみと語ってらっしゃいましたが、本当にこの曲は転調、転調、また転調という感じなのですが、決してとってつけたような重苦しいところがなく、あくまでも軽やかでスムースに場面を描いてゆきます。素晴らしい!



続いて「Her Hometown」。おお!これぞ
正真正銘レイドバック!
音楽を心から愛する真のオトナだけが嗜むことを許される極上のグルーブテイスト!
なつかしいけど新しい、とても魅力的な曲です!

さて次の曲では、スペシャルゲストということでルイス・カルロスさんという謎の方が登場!どうやら南米の方のようですが、なぜか日本語ペラペラなところが怪しくてとっても素敵でした笑。
チャランゴという正体不明のマンドリンのような楽器をお持ちで、坂崎さん曰く、なんでも400年前からある楽器とのことです。
この楽器、マンドリンのような形をしているのですが弦が12弦ギターのように2本ずつ張ってあり、非常に豊かな高域の倍音成分を含んだきらびやかなトーンが特徴です。
ナイロンではなくスティール弦の音です。無理矢理例えるならばチェンバロのような音ですね。
さて、まずはチャランゴの代表曲ということで「青い色の瞳」が演奏されました。
これをルイス・カルロスさんがひたすら情熱的に弾きまくります!
さらにはチャランゴを弾きながらルイス・カルロスさんの雄叫び&口笛が炸裂!!
ものすっごい情熱的です!!!
この曲のおかげでチャランゴという楽器をよく理解できました。



続いて「和幸」フィーチャリングルイス・カルロスということで「鎮静剤」が来ました!
和幸のお二人とも親交のあった高田渡さんの楽曲です。
しかし、この「和幸」バージョンはルイス・カルロスさんの情熱的な演奏とコンドルは飛んでいく風のケーナの素晴らしい音色もあいまって、エキゾチックでかなりスケール感の広い凄まじいアレンジとなっておりました。

つづいての曲は加藤さんが「ボクが大昔作った曲です。」坂崎さん曰く「まだアルフィーさんがヒット曲がないときモノマネしてました(笑)」という楽曲「ふしぎな日」です。
これも情熱的!!本当にアレンジが多彩で原曲を知っている人も、知らない人も普通に楽しめるところが「和幸」らしさですね!
加藤さんも「音楽の面白いところはアレンジで全然かわってくるところです」とおっしゃっておられました。

また、加藤さんは最近ウクレレにはまっているらしく、10万円相当の高級品を毎日一本買っちゃうくらいの勢いで収拾しているそうです。
ここで小ネタということで
「ウクレレ10万じゃく〜ガンバりゃ買えた〜ストラディバリウス3億円〜♪」
などという替え歌も!!和幸おもしろすぎです笑。

続いてフォークルの「戦争は知らない」がまたしても和幸ならではのアレンジで披露!
あの寺山修司さん作詞のこの楽曲が明るい曲調で鮮やかに蘇ります!!!

続いてバックバンドのメンバーが一時ご退場されました。

ステージ上には和幸のお二人のみで、アコースティックタイムがスタートです。
1曲目は和幸の原点!ということで「生命」が披露されました。
この曲は坂崎さんが作曲なさったのですが、デモテープの仮歌の歌詞には全然関係ないBeatlesの曲の歌詞が適当にのせられていたそうです笑。
その楽曲にきたやま おさむ先生の素敵な歌詞がのせられたとのこと。
「哲学的でいろいろなことを考えさせられる歌詞なんだけども、やさしい言葉なのがきたやま先生のすごいところ」とおっしゃっておられました。
ギターオーケストレーションも同じことが言えると思います。流れてゆくような美しいスリーフィンガーなのですが、実は加藤さんと坂崎さんと違うチューニングで複雑なアンサンブルを構築しており、ものすごく広がりのあるアンサンブルになっています!
お二人のコーラスワークも絶好調!さらに名手・坂崎さんの絶品ソロも素敵でした!

続いて誰もが聞いたことがあるあの曲が来ました!
「家をつくるなら」です。なんと
和幸住宅バージョンになって披露されました笑。

続いてバックバンドが再び帰ってきて「黄昏のビギン」がカバーされました。
まさに昭和の香りです!哀愁のアコーディオンが素敵!
さらにはフォークルの代表曲「帰ってきたヨッパライ」がボサノババージョンにて披露されました!
ボサノバのヨッパライといことで
「ボサッパライ」とのことです笑。
坂崎さんのオクターブ奏法を使ったカッティングソロが絶品です!

こんな素敵な楽曲と素敵な演奏を聴いてしまっては・・・もうたまりません!
なんだか大至急お酒が飲みたくなってきてしまいました笑。

さて続いてはこちらも加藤さんの代表曲と言ってもいいでしょう。
お二人ともウクレレをお手に取られ「あの素晴らしい愛をもう一度」が披露されました!

続いて本日バックを務めるメンバー紹介がなされ、加藤さんの盟友であるオルガン&アコーディオン担当のパトリックさんが「イムジン川」をフランス語バージョンにて熱唱!アコーディオンを操りながらの魅惑の低音ボイスがとっても素敵でした。

続いて「さあ、だんだん和幸コワれていきます!」というMCから「サタデーナイトムービー」がノリノリに炸裂!
ポールサイモンを彷彿とさせる遊び心溢れる楽曲です!!!
そしてついに!!!
ESPのNEWギターが登場いたしました!
335タイプにボディにフラワームーブメントのサイケデリックアートを思わせるオリジナルペイントがされている超ド派手モデルです!!!
今日この日のために作成されていたのです!


客席からもざわつきが・・・!!!

さらにステージ上の坂崎さんから


「よくぞ作ったESP!」

「一日一色しか塗れないところを、なんとか間に合わせてくれました!」

との有り難いお言葉をいただきました!
加藤さんからも「こんなギターは当時もなかったぞ〜!」とのお褒めのお言葉をいただきました笑。
ありがとうございます!!!

そして「アーサー博士の人力ヒコーキ」が炸裂!!坂崎さんのNEW GUITARでのソロは煌びやかでありながらセミアコならではのエアー感のあるトーンで最高でした!

対する加藤さんはグレッチをお手に取られ、トーンを絞ったウーマントーンで味のあるプレイ!!激シブです!!!
そして曲のラストは
完全ジャムです!

ESPとグレッチで延々ギターバトル!!!


最高です!!!
お二人のトーンの違いをあらためて堪能することができました!

そして、ここでついにESP NEW GUITAR第二弾!の加藤さんモデルも登場!
坂崎さんとまたひと味違うサイケデリックなデザインです!お二人でニューモデルを掲げて記念撮影!!!
そして、このギターに相応しい曲!ということで、「ナニモナイ」が来ました!
坂崎さんはスライドバーで妖艶なプレイで楽曲を盛り上げます!
加藤さんのミステリアスなボーカルも素敵!
まさにこのギターのペイントにぴったりのサイケデリックでアバンギャルドな楽曲!!!
すっげーカッコイイです!!!

そして坂崎さんの「それでは大詰めです!」とのお言葉から、本編最後の曲!!!

「モノリス」!!!

まさにラブ&ピースです!!!

しかし一筋縄でいかないところが和幸です!
すさまじいサウンドアンサンブルで中毒性の高い激ヤバサウンドが炸裂!
加藤さんもアナログフランジャーでシブイ音を出すと、そこへ坂崎さんが鋭いカッティングで入ってきます!
そして延々とギタージャム!!!


大変です!!!

大至急気持ちよくなってきてしまいました・・・



聞き手を
アチラ側へと誘う凄まじい幻覚効果です!!!



あああぁぁぁ・・・



魅惑のギタージャムで本編が終了いたしました!



和幸の世界観は、こちらの予想を遙かに上回って大変なことになっております!!!




さて、アンコールでは
巨大スクリーンが登場!

そこへ
「バラバラふたり」のPVが映し出されました!
とても手の込んだ素敵なPVですので、まだご覧になってない皆様は必見です!!!

そして坂崎さん曰く「モノリスで改心して悟りの境地へ達したということで、、、」

「無貧」が演奏されました。坂崎さんの広がりのあるアコギと加藤さんのスティールギターが激シブです!

ここでバックバンドのメンバーが登場し、「見上げてごらん夜の星を」です!
ステージバックにはライトで美しく星が輝いています。あえて60年代風のセットを再現しているようです。坂崎さんの美しいマンドリン、哀愁のアコーディオン、ウッドベース、そして見事なコーラスアレンジ!!!素晴らしい新アレンジです!!!

そして「みんなの地球」です!!!
ディズニーを思わせる世界観のある曲でまさにラブ&ピース!!!和幸の幅広い楽曲センスに感服です!!!

最後のアンコールでは加藤さんが三味線をお持ちになり、フォークルの「悲しくてやりきれない」が披露され、感動的に和幸ゴールデン・ヒッツ・コンサートが終了いたしました!!!




実は私は60〜70年代の音楽についてほとんど知識がございません。さらに、大変申し訳ありませんが、フォーククルセダーズについてもほとんど何も知りませんでした。
また、先程も申し上げましたが和幸の楽曲もほとんどの曲を今日初めて聴きました。

それなのに!!!

今日のこのコンサートはどうしてこんなに楽しめたのでしょう???
アタマでは知らない曲なのに、体の細胞が喜んでいる感じとでも申しましょうか。
とにかく理屈抜きで楽しめるコンサートなのです!
全っ然知らない曲なのに、なつかしくってしかも新しい。
聞いたことあるようで聞いたことがない。でもすっごい楽しくて新鮮!!!
もしかしたらこれは和幸の音楽の持つ「普遍性」というものなのかもしれません。


そしてお二人のお人柄がすごくにじみ出ていて、アットホームな雰囲気に包まれた温かいコンサートでした。そしてアットホームでありながらも、どこか緊張感のあるといいますか、、、音楽にとても詳しい憧れのお兄さんに「こういうのがカッコいいんだぜ〜」と新しい音楽を教えてもらているかのような気分で、とてもドキドキしてしまいました。

「和幸」はこちらの想像をはるかに超えた音楽ユニットです!!!
THE ALFEEともDear BEATLESともひと味違う、坂崎さんの魅力が満載でした!!!


さあ、そうこうしているうちに、すっかり9月も下旬にさしかかってまいりました。

いよいよTHE ALFEEの秋ツアーが始まります!!!

王子も坂崎さんもこのソロ活動で得たパワーを必ずやTHE ALFEEに持ち帰ってくださることでしょう!
秋ツアーは絶対にすんごいことになっちゃうはず!!!


ますます進化してゆくTHE ALFEEに期待です!!!