ただいま絶賛発売中のマキシシングル「薄桜記(さくらうた)」。皆様、もうお聴きになられましたでしょうか? まさに今、シンガーソングライターとしての京本政樹氏にあらためて注目が集まっているところで、 今回のインタビューは超スペシャルバージョンとして、京本氏の作詞作曲スタイルなどについてかなり突っ込んでお話をお伺いしてみた! |
ESP:実は、ずっとお聞きしたかったことがあるんです。京本さんの場合、詩とメロディは一体どういう感じで出てくるんですか? |
京本:僕ね、同時なんですよ(微笑) ギターをポローンと弾いているうちに同時にフレーズが出て来ちゃうんです。 あとでもちろん手直しはするんですけどね。 で、メロディーラインとともに、それが別れ歌になってしまうのか、とかっていうのが決まっちゃってるんですよね。僕の場合は根っからのギター少年ですからね。先日も「マチャミ食堂」という番組で、はなわくんと共演させていただく機会があったんですけども、あの「伝説の男〜♪」なんていうのも、全然コード進行とかも知らないで、なんの練習とかもしてないんですよ(笑) もちろん、はなわくんと事前に練習なんてものも全然してないんです(笑) |
ESP注:2004年9月19日(日)の午後8時からオンエアされたバラエティ番組「マチャミ食堂」にて、京本氏が必殺仕事人3人衆の一人としてゲスト出演された。軽快なトークや箸さばきを披露しつつ、なんとサムライギターも登場しあの華麗な立ち回りも披露された! さらには突然、あの「伝説の男」をサムライギターで弾き語りをはじめ、はなわ氏もあわてて飛び入り参加してセッションするなど、番組は京本氏の独壇場と化してしまった(笑) 京本氏がアドリブで演奏したため、はなわ氏から「それコードは何ですか?」と自分の持ち曲にも関わらずキーが違ったため、京本氏に問いただすハプニングも! 最後には「はなわ斬り!残念!」とサムライギターではなわ氏を斬って捨てるオチまでついた(笑) |
だから変な話ですが、アッコさんやモト冬木さんとかから、 これ絶対意味がちょっと違うと思うんですが、 「京本って絶対音感あるんじゃない?」って言われるんですよ(笑) 要はコード進行とかわからなくても、曲を聴いただけでコードがなんとなく出てくるんですよね(微笑) 全部そういう作り方なんです。 ESP:それってもしかして、以前インタビューでお伺いした、見よう見まねでギターのコードを押さえているうちに、曲が出来てしまったっていう、あのお話に繋がってるんじゃないでしょうか? そうかもしれませんね。だから、同じオケでも、全く違う歌を作ることも出来るんですよ。 それって、たぶん誰に教わったわけでもないんですけどね、たまたまそういうふうになっちゃってるんですよね。 これからもずっとこういう感じで曲を作って、歌っていきたいと思ってますね(微笑) |
京本氏はさらっとお答えしてくださっているが、実はコレ、普通じゃマネできないスんゴイことである! 生まれ持った才能にプラスして、お姉様がクラシック奏者ということもあり、音楽に囲まれて育ったという環境も影響しているのかもしれない。 やはり京本氏は「感性で生きている人」なのだと確信した次第である。 そして、もうひとつ、僕が京本氏にどうしてもお伺いしたいことがある。 それはボーカルスタイルについてだ。 今回のマキシシングル、「薄桜記(さくらうた)」と「身勝手なkiss〜最初から泣いていた〜」を聴いて、そのあまりにも違うボーカルスタイルに驚かれた方もいらっしゃることだろう。 その幅広いボーカルスタイルについてさらに突っ込んでお伺いしてみた。 |
僕は昔、矯正されてるんですよ。レコード会社にスカウトされた頃は、もともとはちょっとシャクッて歌うタイプだったんです。 でも、当時のプロデューサーに、「君の声は高音が伸びる綺麗な声だから、シャクらない方がいい」って、矯正されたんです。その矯正された歌い方っていうのが「薄桜記(さくらうた)」に活きてるんですよね。 そのもともとの歌い方のシャクって歌う歌い方が活きているのがカップリングの「身勝手なkiss〜」なんです。もはや同一人物ではないですよね(笑) 僕のデビュー曲の「I Can't say...」っていうのは、こないだもライブでやったんですが、そのB面曲の「ジンにまぎれて」ってのは実はシャクってるんですよ。あれがもともとの僕の歌い方だったんです。 だから、ホントに昔に戻ってますよね。昔自分がやってた原点に。 それって、今回のサムライギターで悪魔風と天使風が共存しているのと一緒で、必殺仕事人でも明と暗が共存してるのとも一緒なんです。 それは舞台で言えば、時代劇やってても2部でショウをやってるのと一緒で、時代劇やってる僕が、高校教師みたいな現代劇やってるのとも一緒で、それって全部共存してるってことなんです。 次は思いっきりバラードを作ってみたいな、とか、もともと歌謡曲も好きなんであえてそういうのも挑戦したいなとも思ってます。 でも、その中に、絶対「薄桜記(さくらうた)」は入れていきたいなって思ってます。 それくらい気に入ってるんですよ。 みなさんがどう評価するかはわからないけども、それほどの楽曲に出会えたっていうのは、ほんとに自分にとって嬉しいことですよね。 50才、60才になっても歌える曲がひとつ出来たってことですからね。 杉良太郎さんにとっての「すきま風」ってのがあるじゃないですか。 渡哲也さんの「くちなしの花」ってのがあるでしょ? 森山君にとっての「さくら」になるだろうし、福山君にとっての「桜坂」。 梅沢富美男さんにとっては「夢芝居」になると思うんですよ。 で、京本政樹にとってはもしかしたら「薄桜記(さくらうた)」かもしれないよ、っていう予感の曲ですよね。 そこにギター少年の心が復活した僕に、「身勝手なkiss〜」がありました。ということですね。 実は「身勝手なkiss〜」用のギターも作ってます!さすがに刀は出てきませんが(笑) 僕とESP担当者で半分ワルノリみたいになってますからね! 楽曲ごとにギター替えちゃうくらいの勢いになってますから(微笑) |
というわけで、全5回にわたってお送りいたしました「薄桜記(さくらうた)」スペシャルインタビュー、いかがでしたでしょうか??? 曲の誕生秘話はもちろん、京本氏の音楽活動にまでかなり突っ込んでお伺いしたところ、氏はひとつひとつ本当に丁寧に答えてくださった。 お話をお伺いした中で最も印象深かったお言葉は、 「僕の中で振り出しに戻っているような、あの頃に戻って2回目の芸能生活を楽しんでいるような、それでいてとても余裕があるような感覚があるんです。」 という一言。この一言こそが、現在の京本氏の創作活動の充実ぶりを最も表しているのではないだろうか。 こうしてインタビューをさせていただきながら、ふと、京本政樹氏は他の誰にも例えようのない本当に希有な存在なのだと痛感した次第である。 時代劇俳優として名を立て、現代ドラマにおいても超個性派としての地位を確立し、その一方でトーク番組やバラエティに出てはその卓越したトークで注目をかっさらってしまう。そのまた一方では仮面ライダーやウルトラマンなどの京本コレクションという形で趣味を仕事にしてしまったり、これまた趣味の高級着物をデザインしてブランドを立ち上げたりと、もういろんな魅力がありすぎて挙げていくのに困っちゃうくらいのお方なのである。 これはあくまで僕の想像なのであるが、おそらくこれら全てに共通することは、「モノを作って人を喜ばせる」ということなのではないだろうか? 俳優というのはその役柄を自分で作って演じることであると想像できるし、プラモデルを作ってご友人にプレゼントしたり、曲を作ってプレゼントしたり、はたまたバラエティでは「面白い京本政樹」を作って視聴者にプレゼントしているのではないか。 すべて、彼のアーティスト、そして生まれながらのエンターテイナーとしての創作活動なのではないかという気がしてきたのである。 モノを作るのが大好きで、そしてそれをプレゼントして、人の喜ぶ顔を見てさらに自分も嬉しくなってしまう。 そんな「京本政樹」だからこそ、老若男女問わず「京さま」と呼ばれ愛されているのではないだろうか。 そして、その原点はきっと「曲を創って自分で歌う」というシンガーソングライターなのに違いない! |
取材と文・ESP
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