というわけで、スタジオパーク前日の10月10日からスタートしたレコーディング突撃レポートをお送り致します!

場所は都内にある某有名スタジオです。数々の名曲が誕生したこのスタジオで、本日、どのようなレコーディングが行われるのでしょうか???ワクワクしながらスタジオへ向かいました。

このスタジオへ来るのは初めてですが、まずその巨大さに驚くと同時に、コンソールルームにいらっしゃる関係者の皆さんの多さにも驚きました!これはすごい現場です!!


その現場の中心に京本Pがいらっしゃいました。


連日の撮影続きの中お疲れのはずなのに、めっちゃ元気なご様子です。


その表情は、すでに日本全国の朝の顔になってしまった「小次郎おじさん」ではなく、ましてやお正月時代劇の「あんみつ姫のリュウ」でもなく、、、これまで数々の名曲を世に送り出してきた「京本P」モードに完全にスイッチが入っております!!!


プロデュースを受ける瀬戸さんはとても物腰柔らかい温厚な方で、話声からしてハスキーなとても良い声をしてらっしゃいます。
これは歌を聴かせていただくのが楽しみです!!


そしてついに竜崎先生がスタジオにお見えになると、京本Pは立ち上がって丁寧にごあいさつをして先生をお招きし、お二人で必殺時代の楽しい昔話に花が咲きました。


そうなのです!このお二人はともに必殺BGMをてがけた音楽家同士!!


そして、今回レコーディングする楽曲のアレンジについての打ち合わせが始まり、楽譜を前にして二人で「ここでこのメジャーセブンスが・・・」「リットの加減はどうしましょうか・・・」などといった音楽専門用語がポンポン飛び交う凄まじい内容で、私にはほとんど理解不能でしたが、とにかくものすごい高度な音楽家同士のやりとりがとりおこなわれております!!!



竜崎先生と京本Pの会話は、あまりにもプロフェッショナルすぎて正確な意味がわかりませんでしたが、
楽曲の「細かいニュアンス」についてのお話のようでした。



竜崎先生との打ち合わせが終わり、先生がブース内へ指揮棒を持って入られました!



さあ、そして、いよいよ音出し開始です!!


とにかくものすっごい大きなスタジオで、生ストリングスの皆様40人ほど、ドラム、ベース、パーカッション、ピアノ、エレキギター、アコースティックギター、ベース、など総勢3〜40人ほどが巨大ブースの中でスタンバイしてらっしゃいます。

そこへ竜崎先生が指揮棒を持って中央に行き、先程京本Pと打ち合わせをした内容をミュージシャンに説明し、なんといきなり「せーの!」で録音が開始されました。

もう本番始まっちゃうんですかっ!!!



「ふぁ〜〜〜〜〜っ!」


「てゅるるるるるるっ!」


壮大な生ストリングスが押し寄せる波のようにこちらに迫ってきます!


これが竜崎先生のストリングス!!!


さらに生バンドの皆さんも情感たっぷりの素晴らしい演奏です!!



コンソールルームの窓からレコーディングブースを見た写真です。
あまりにも大勢すぎて、この窓からはブース内の皆様全員を撮影することが出来ませんでした。
二つあるテレビ画面の左に映っているのが指揮棒を執る竜崎先生。
右の画面にはギター、ベース、ドラムなどがリアルタイムでレコーディングしている様子が映し出されてます。
曲の表情は竜崎先生の指揮棒次第で変幻自在に変化しますので、
コンソールルームからも先生の指揮棒の動きが見えるようになっているのです。



この巨大な機械で各楽器の音質や音量を調節してレコーディングするのです。
エンジニアさんはテレビ画面の竜崎先生の指揮棒の動きを確認しながら、
合計数十トラックもあるブース内のマイクで拾った音をリアルタイムで調整していきます。
写真では見づらいですが手元の部分にテープが貼られてあり、トラックごとの名前が鉛筆で書いてあります。
(ストリングス、ドラム、ギター、ベースなど各楽器に立てられたマイクの名前です)
曲の進行に合わせて各トラックのEQツマミを回したり、音量調節のフェーダーを上げ下げしたりして
こちらもまさに熟練のプロの技。レコーディング方式も80年代なのです!!!







皆様さすがはプロ中のプロ!

1回目のレコーディングの後、竜崎先生から各パートに細かい指示が出されました。「ギター、もっとあま〜く」「キーボード、もっとファンタジックに」「第二バイオリン、そこは少し休んだ方がいいかもね」等々という指示を受けると、皆さんは譜面に赤ペンを入れるだけでアレンジ作業は完了なのです。
次に演奏すると、 本当に指示通りになっているという、、、すさまじいハイレベルなレコーディングです!

竜崎先生の指揮棒ひとつで、魔法のように楽曲がパッと彩り豊かになっていきます。

何より竜崎先生の指揮棒にぴったりシンクロして、ストリングスもフルバンドも一糸乱れぬ完璧な演奏をしているのです!!!

これには震え上がりました!




京本Pも「80年代、必殺の音楽ってこうやって作ってたんだよね♪」と感慨深げです。


こ、これが、、、80年代のレコーディング方式なのですか!!!

何より特筆すべきは、このサウンド。

圧倒的スケール感で広がりをみせたり、怒濤の勢いで渦巻いて荒れ狂う海のようなストリングス、ズシリと重みがありつつも独特の疾走感を持つドラムとベース、そして昔懐かしいレズリースピーカーでブイブイ言わしたエレキギター、アコギやガットも楽曲にひときわ彩りを加えています。


これらが京本Pの最大の持ち味である哀愁メロディと完全マッチし、もうたまりません!!!

さらに決まり手は必殺でおなじみの「キンッ!」という木のパーカッションの音が、「ここぞ!」というところで入ってきます。
私には楽器の正確な名前がわかりませんが、間違いなく必殺の音楽に入っていたアレです。

京本Pも「アレがないと必殺にならないんだよね〜」とおっしゃっておられます。

まさに「必殺BGMのあのテイスト」が再現されているのです!!!


京本Pが竜崎先生に編曲をお願いした意図とは、まさにこれだったんですね!!!
他のアレンジャーの方にお願いすれば「必殺っぽい」ものは作れるかもしれません。

しかし、今このスタジオで流れている音は、「必殺っぽい」のではなく、「まぎれもなく必殺そのもの」なのです!!!



なぜならば、当時それを作っていたご本人たちなのですから!!!




私はもちろん、瀬戸さんも、事務所のスタッフさんも、このアレンジを今日はじめて聞いたわけです。。。

まさかこういうアレンジだとは全く聞いていなかったので、

「ああ・・・必殺だ!!!カッコイイ!!!」
とみんなで大騒ぎになってしまいました。


スタッフの皆さんが

「なつかしい!」

「これ聞いて育ったんだよなあ」

「これは必殺ファンの皆さん絶対喜ぶぞ!!」


とコンソールルーム内が熱狂に包まれております。


「女は海」をリメイクすると聴いて、てっきり打ち込みを多用して現代っぽくやるのかと思っていたのですが、まさかここをピンポイントで狙ってくるとは!!!

常に「良い意味で裏切られて逆にそっちがカッコイイ!」という、さすがは京本Pプロデュースです!!



必殺をリアルタイムで見ていた私を含め30代〜40代の世代には、

もうDNAレベルに刻み込まれている「必殺BGMだけが持つあの独特の空気感」が現代に蘇ったことに、興奮を禁じ得ません!!!

そして竜崎先生の絶品アレンジによるファーストテイクが終了すると


「素晴らしいです!」と京本Pも大絶賛!!!


竜崎先生の魔法のような素晴らしいアレンジで、まさに京本Pの思い描いていた通りにオケ録りが完了いたしました。

最高のオケが完成し、さあ次回レコーディングはいよいよ瀬戸さんの歌入れです!!

京本Pが瀬戸さんについて語ってくださいました。




瀬戸くんの魅力は、もちろん歌の上手さもあるんですけど、なんといっても彼の「声」だと思うんです。

はじめて彼の歌を聞いたときに、「あっ!」ってひらめくものがありました。

彼はポップスから入ってる人なので、ハスキーでありながらも「演歌」ではないんですよね。

竜崎先生ともいろいろお話してたんですが、「女は海」という楽曲は、「演歌!」というよりかは、どちらかというと「ポップス歌謡」の部類に入ると思うんです。

鮎川いずみさんのときもそうでしたが、あまり演歌っぽくない感じなのが逆にいいんですよね。

そしてそれが、当時の「必殺の音楽」が持っていた独特の空気感なんです。

だから、きっと「女は海」は彼にぴったりなんじゃないかと思ったんですよ。

歌入れが楽しみですね(微笑)








というわけで、京本Pの全幅の信頼を受ける瀬戸つよしさん、いよいよ出番でございます!!

次回、震えてお待ちください!!!

→「第三回 瀬戸つよし、歌を入れる!」
(2008/12/27更新)






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