１９６４年製サンダーバードのヘッド折れ その4
塗装工程が終了しましたが、50年以上前の楽器なので、修理箇所の風合いが揃いません
予算にもよりますが、今回はエイジングを施し、違和感を抑えました
昨今フェンダーのレリックシリーズに代表されるエイジング加工された新品の楽器が流行っていますが、元々はリペアマンの技術と言うか心遣いです
この楽器は、もうひとつ重大な問題を抱えていました
完全に設計のミスと思われますが、どういう訳かブリッジの取り付け位置が悪く、チューニングが全く合わない状態…ズレてしまったとかの作業ミスレベルではありません
これ程緻密に設計された楽器なのに謎です
オーナー様はコレクターでは無く、現役でバンド演奏をされる方なので、オリジナル度の温存よりも改善を望まれました
元の塗膜には経年劣化により割れが入っていたため、なぞる様に上塗りに割れをナイフで入れていきます
割れのパターンを掴んだら、新しい塗り面にも…
擦り傷を入れたり表面劣化を表現すると、やっと落ち着いたルックスになりました
新しくは見えないかと
問題のブリッジ位置 適正より6mmは後ろにマウントされています 取り付けミスかと思いましたが、板バネ式のミュートパーツがピックアップギリギリまで有ると言うことは、設計ミスと思われます
アンカーを抜いて…
埋めたら
付け直し ミュートパーツは外してしまいました
なかなか良いんじゃないですか？
その他のオリジナルパーツを戻し 堂々たる風格のサンダーバード復活
おまけ ネックの裏にストラップピンを付けた跡が…(^_^;) 以前のオーナーがバランスの悪さに業を煮やし付けたのでしょう(笑) 現オーナー様は「コレはコレでこいつの歴史だから…」と放置希望
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