もはやもう誰も「薄桜記(さくらうた)」のひとり歩きを止められなくなってしまった! しかしシングルカットに当たり、京本氏はまたも苦悩に陥ることになってしまう。 はたしてどのような決断が下されたのであろうか! |
案として2つあったんです。 大谷さんがやってくださったもともとのアレンジで、ファンの方は気に入っていただけたわけじゃないですか。このアレンジを、そんなに崩すべきじゃないんじゃないかなっていう。 あともう一つは、アルバムは80年代テイストで良かったんだけども、あんまりそればっかり言われてしまうので、シングルとなるにおいては、新しさというか、新しき中に80年代の香りがあってもいいんだけども、 何かプラスアルファが必要だろうと。そうすると、全くアレンジテイストを変えてみるべきなのか、例えば新アレンジャーを連れてきて、大谷さんに監修をしていただきながらやっていく方法もあるだろうと。 この2つですごく悩んだんです。 |
でも、あるとき、たまたま中島美嘉さんの「雪の華」という歌を聞きまして、 あの徐々にスケール感が大きくなっていく雰囲気にちょっとヒントがあったんです。 あの曲はサビはじまりじゃないんですけども、「薄桜記(さくらうた)」の波の音が消えているところに、いきなり弦でくるのではなくて、ピアノはじまりの、「なぜに〜な〜ぜに忘れられない〜♪」っていうところのフレーズをみんな忘れられないって言うんだから(笑)、そのサビ始まりにしてみたらどうだろうかと。 そして徐々にスケールアップしていく感じでアレンジしたら。。。 そう思った瞬間に、さっきの悩みが解消されちゃったんですよ。 やっぱり大谷さんのアレンジをみなさんがかってらっしゃるわけですから、 だったら、あのアレンジのスケールアップを大谷さんご自身に目指していただこうと。 だから依頼はもうひとつですよ。 ピアノ始まりの、サビ始まりの、弦!みたいな(笑) それで、今回は14本のストリングスを入れてあります。 今回の歌も、結局3回歌ったんですが、使ったほとんどのテイクはワンテイク目でした(笑) それというのも、レコーディングの時期も、プロデューサーとすごく計算したんです。 これ、普通の人だと計算不可能なんですよ(微笑) なんでかっていうと、レコーディング開始日の次の日にコンサートがあるという日をあえて選んだんです。 その前からずっと写真集の撮影に入ってまして、それと同時にオケをレコーディングとかしているわけです。 そしてもちろんコンサートのリハーサルもしなくちゃならない。 普通はそういう時期にレコーディングをするというのはきついじゃないですか(笑) でも、そのコンサート前日からレコーディングを開始しておいて仮歌を録っておいて、翌日コンサート本番をやって、さらにその翌日から写真集を撮りに行って、すぐ戻ってきてまた歌入れ、、、というスケジュールにあえてしたんです。 普通だったらみなさんそこで声がつぶれたりしますよね? でも僕の場合は声がつぶれないんですよ(微笑) どういうことかっていうと、僕は舞台を一ヶ月やるわけじゃないですか。一ヶ月の舞台ってのは、まるまる舞台を2回公演やって、歌をまるまる2回やるわけなんですよね。一ヶ月間コンサートみたいなものなんですが、僕は割と声がつぶれない人っていうことで、巷でも有名なんですよ(笑) よくつぶれないねって言われるんですが、僕の場合はむしろ声が出ていくんです。 キーもどんどん高くなってっちゃうくらい。 トライスクルのプロデューサーの海老根さんたちも、ちょっとそのスケジュール、タイトすぎて無理じゃないですか?っておっしゃってくれたんですが、僕の中では風邪をひいてたらアウトだけど、ひいてない限りは、そういうスケジュールの方が一番イケてるんです!って言いまして。 まして、コンサートでバーン!と歌ったその感じを、そのまま持ってこれるという自信があったんです。 今回、その計算が見事にハマったんですよ! オケの方は生ギターを少し押さえ気味にして、海老根さんからの意見もとりいれながら、ドラムのビートを効かせつつも弦を思いっきりかぶしちゃってる、みたいな感じになってます。 アルバムバージョンと聞き比べていただくと、その違いがわかっていただけると思いますよ。 歌も当然違ってますし。 そりゃそうですよね、ワンテイクで歌ったものと、インストアライブを回ってコンサートでやってきたものと、どう考えても違いますよね。 しかも、一番機が熟した時に録ったわけですから(微笑) |
こうしてついに完成した「薄桜記(さくらうた)」のニューバージョン! これはもうみなさんの期待以上の出来と断言してもいいだろう。 さらに、今この原稿を書いている時点でついにジャケットデザインが上がって来たのだが、これがまた大変なことになっている(笑) きっとみなさま「京さま〜!」と歓喜されるに違いない! 是非発売日を楽しみに待っていただきたい! というわけでこの辺でインタビューを終わりに、、、 なんてのは冗談です! もう、ファンの方なら絶対に気になって気になって仕方がないであろう、カップリング曲「身勝手なkiss〜最初から泣いていた〜」についてももちろんお話を伺ってありますよ!(ニヤリ) はっきり言ってこの曲! このタイトルを聞いた瞬間から、僕の中でどんな曲なのか気になって仕方がなかったのであるが、初めて聞いた瞬間ブッ飛んでしまった! まじでヤバイッス! どのへんがヤバイのか、次回Vol.4にて明らかになってきます! 次回、震えて待て! |
取材と文・ESP
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