ついに!新曲「I LOVE YOU」が完成!そしてカップリングには「白い夜」が決定!

あとはレコーディングして発売するだけ!すべて順調に・・・

のはずである。。。



一体、現場で何が起こったのか?
その衝撃の「事件」が今、明らかに!!



(前回からのつづき)



京本政樹:まず、「I LOVE YOU」のレコーディングですが、大谷和夫さんが僕のデモテープをもとにブラスアレンジに持っていったんです。管楽器ですね。

平原綾香さんのお父さんとか、必殺の「ぱらぱ〜♪」のテーマのトランペットを吹いている笠原さんとかもう一流の方達7人くらい来ていただいてレコーディングが始まって、オケが上がって早速僕が仮歌を入れたわけですよ。

で、白い夜もディナーショーと同じイメージで長谷川さんのギターをバックにいい感じで、「薄桜記」を歌い慣れていることもあったし、ディナーショーで披露していることもあったんで一発で仮歌入れも終わったんです。



で、いいね〜って言ってたわけです。


で、両方終わって、まだ仮歌の状態だけど、この「I LOVE YOU」と「白い夜」と2曲並べて聞いたときに、、、



なんだか場がどんよりしてしまったんです。



僕もその瞬間に思ったし、大谷さんも思ってたし、ESPスタッフも凍り付いてたんです。



何が起こったかっていうと、「カップリングが合わない」んです。



軽快な夏の歌から、いきなり冬にきちゃってるんです。



秋が抜けてるから、がくーんって気持ちが下がるんです。
単独でそれぞれ聞いてた時は良かったのに、並べて聞くと両方が悪くなっちゃうんですよ。
白い夜までが、すごく変な曲に聞こえてしまうんです。
大谷さんとかもみんなくらーくなっちゃったんですよ笑。



「なんかさあ、すっげえ暗い曲だよね。」ってなって笑。



僕自身もこれを聞いて、うわーきっついなあって思ったんです。
で、その現場から帰るときに思ったんですけど、夏からいきなり冬いっちゃたんで、秋が抜けてるんだよな・・・って気が付いたんです。



ところがもう、レコーディングメンバーはみんなもう帰ってるわけですよ。
帰った後にトラックダウンで落としてるわけですから。



で、僕がその夜中に大谷さんに電話して、
「今日はお疲れさまでした。。。大谷さん、あの〜・・・」って言ったら向こうから、

「京本、これは今回、企画失敗したな〜」って言ってきたんです笑。

で、「あ、大谷さんも思いました?実はその話なんですけど・・・」
大谷さんは「もうこれは、オレのピアノかエレピかなんかで前奏を付けて、I LOVE YOUの後にかかってもおかしくないように変えるしかないかな」っていうアイディアを出してくれたんです。



で、僕の中には、実は画策があって、それはESPスタッフの意見も聞かなくては実現しないアイディアだったんですけど、とりあえず「大谷さん、わかりました。とりあえずその方向はちょっと考えてみてください。」と。それを今度のスタジオでやってみる方向で。



で、僕のアイディアなんですけど、ESPサイドと話してみないとわからない問題なんですけど、これ、いっそのことマキシシングルにして、もう一曲作るってどうすかね?」って言ったんです。
実は今回は当初はシングルの企画だったんです。2曲入り\1,000っていうはずだったんですが、マキシにして\1,200っていうことに出来ませんかね?」っていう話をしたんです。



大谷さんは「それはもちろん出来たらいいけど・・・でも・・・京本、楽曲どうするの?」っていう笑。



ESPサイドにも打診してみたんですが、僕が蓄えている楽曲の中であの後にふさわしい曲があるかっていう問題もあったんです。で、僕もいろんなパターンを考えたんですが、今自分が持ち合わせている中にはないんですよ。新曲としてこれから出せるなっていうストックの中は、I LOVE YOUの後にふさわしいものがなかったんです。

自分の中ではI LOVE YOUの後に相応しい曲のイメージとしては、例えばサザンの「真夏の果実」とか「TSUNAMI」とか、夏の終わりのイメージ、海を感じさせるようなイメージが合うなって思ったんです。そういう楽曲は僕のストックの中になかった。
でも過去に音源として制作していた楽曲の中にはあったんです。リバイバルってことですね。
そのアイディアも出したんですけど、大谷さんに言ったら、



「やるんだったらやっぱり新曲がいいよ。焼き直しも必要だとは思うけど、やっぱり新曲がいい!」
って話になって。

で、僕の中では、すでに「海を見ながら夏の終わりを思う」みたいなイメージが漠然とあったんで、とりあえず「一日ください」って言って、朝まで曲を書いて寝ないままロケに行ったんです。



で、ESPサイドから正式な返答が来て、「新曲が出来るんだったらマキシで行きましょう!」ということになったんです。
音楽活動があんまりできてない僕だから、余計にその方がいいんじゃないか、と。ミニアルバムのミニアルバムみたいな感じでね。

それで、その話をしたのがちょうどお昼くらいなんですけど、そっから夕方までの間に、ロケの最中に車の中で曲を書いたんです。
歌詞をドラマの台本に書きまくったんです。メロディもある程度決定して。
で、次の日に、地方ロケに行くスケジュールだったんですが、このメロディだと、作るのにフォークギターが欲しいわけです。
ガットではなく、どうしてもフォークギターの感じが必要だったんです。
で、またESPスタッフにお願いして、ガットではなくフォークギターが必要です、と。

で、初代さくらギターが渋谷のお店に飾ってあったんで、それをギリギリで届けてもらってそれを持って地方へ行ったんです。

それをホテルで弾きまくって曲の原型を固めて。それで出来た!って言って電話したのが、この「空白の一日」なんですよね。



どういうことかっていうと、僕はドラマのスケジュールがあるからレコーディングスケジュールは崩せないんですよ。



ということは、こないだリズムをとって仮落とししておいて、これから本チャンの歌入れだと。

で、スケジュールの中で、この一日だったら無理ができるっていう日を見つけてたんですよね。



で、この日にもう一回バンドに来てもらってリズムを録れれば、この一日だけであとは崩さなくていいっていう。



普通だったらこのスケジュールを消化して次に行くっていう感じじゃないですか。

でも、そうじゃなくて、この日までにリズム隊とボーカルを録って消化してしまえば、その後のスケジュールは崩さなくて良いっていう一日があったんです。

逆に、ESPのトライスクルのスタッフの方たちが、それはレコード会社としては非常に有り難いアイディアなんだけど、

「それ京本さん大丈夫ですか?」っていう話になりまして笑。



で、僕は「やるしかないでしょう」って言って(微笑)






なんと!たったの一日で、一曲を書き上げてしまうとは!

しかも、「I LOVE YOU」の後にくるのにふさわしいピンポイントのイメージでの作詞作曲。
これは簡単におっしゃっておられるが、実はかなり大変なことであると想像できる。

「良い曲を書こう!」「シングル曲を書こう!」というのは全く別次元の、
「I LOVE YOU」と「白い夜」をつなぐための楽曲が、いま必要とされているのである!!

しかも、残された時間はたったの一日!


限られた時間というプレッシャーの中で、ロケの最中にドラマの台本に書きまくって完成した楽曲!

これはまさに、あの組み紐屋の竜の名セリフ「やるしかねぇ」なのでありますっ!!

次回、インタビュー最終回を震えて待て!!





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