ESP SNAPPER 20th Anniversary Special Vol.10

2024/06/28

2003年12月のリリースより、ESP SNAPPER(スナッパー)シリーズは2023年で20周年を迎えることができました。おかげさまで皆様にご好評いただき、SNAPPERの満20周年Special Yearとなりました。
これから2024年にかけて、様々な企画やキャンペーンを計画しております!
こちらでは開発が始まった当時を振り返りながら製品開発時の秘話やこの仕様に至った経緯など、ちょっと別の角度からSNAPPERを深掘りしていきたいと思います。
随時更新していきますので乞うご期待ください!

[ 開発チームメンバーによるSNAPPER回顧録 ]

第一章 – 開発秘話&ヒストリー

-10- ラインアップの改編

僅か4年と短い期間で生産完了となってしまったSNAPPER-Sですが、ボディ材の追加やパーツのブラッシュアップという側面で非常に大きな可能性を広げてくれました。

それらを踏まえ、2007年にはユーザーからの人気の高かった仕様を反映させ、ラインナップを改編する事にしました。

スワンプアッシュボディのモデル”SNAPPER-AS”の追加
✔ミッドのプッシュ感に優れるアルダー
✔軽快な音抜けが特徴のスワンプアッシュ

SNAPPER-Sでのスワンプアッシュボディの評価を受けて、SSH配列のSNAPPERにおいても、それぞれ魅力的なサウンドの2種のラインアップを両立させようという事になりました。前述の通り、開発スタート時にもスワンプアッシュボディも候補に挙がっていましたが、当時は「軽快なCTM」と「ブルージーなアルダー」という2軸で展開をスタートしました。3Sでアッシュを採用した事により、開発チームはスワンプアッシュならではの軽快かつ枯れたフィーリングの素晴らしさを再認識し、更にはユーザーからスワンプアッシュボディの採用を熱望される事となりました。異なるキャラクターの3種類のSNAPPERが揃い、よりプレイヤーの皆様のご希望に沿ったモデルをご用意できる事になりました。

ESP Custom Lab CL-P-S-2とCL-P-H2の採用 (SNAPPER-AL、SNAPPER-AS)

アルダーとスワンプアッシュのモデルには、SNAPPER-Sに採用していたシングルコイルのS-2を新たに採用する事にしました。SNAPPER-Sのリリース時にはハムバッカーの開発を行わなかったため、S-2とのコンビネーションにふさわしい、同じコンセプトのオープンでワイルドなハムバッカーが必要ということで、「ESP Custom Lab CL-P-H-2ピックアップ」を開発する事になりました。

結果として、ミドルを圧縮する感じのないナチュラルトーンで、ピッキングのニュアンスの表現力の高さが素晴らしいハムバッカー、CL-P-H-2が完成しました。後に、より心地よいオーバードライブサウンドを目指したセラミックマグネットヴァージョンの「CL-P-H-2+」も発売になりました。ハイパワーバージョンではありますが、H2+もオープンでニュアンスフルである事をベースに開発したので、HR/HMに特化したサウンドのピックアップではありません。

ブラスブロックの採用 (SNAPPER-CTM)

スワンプアッシュモデルの追加により、音抜けに優れたモデルが2機種になりました。そこで、軽快なフィーリングはASに任せて、CTMにはオプションパーツとして発売していたブラスブロックを標準装備し、よりモダンでくっきりとした音像にシフトする事にしました。ブラスブロックによる重心の低い鳴りはハーフミュートピッキングの粒立ち向上へも一役買っています。

フレットの変更

設計上の変更として、2007年にはフレットサイズの変更が行われました。スムースな弾き心地の216Aタイプは、プレイアビリティが高く人気を博していました。ですが、シビアなレコーディング現場などではより優れたピッチとイントネーションを求められることも多く、更にブラッシュアップを行いました。結果として、216Aタイプより若干幅の狭い214タイプへ変更しました。

カラーラインアップの変更

バリエーションが増えたこともあり、2007年にカラーラインアップの見直しを行いました。CTMについては従来のカラーから少し濃い目にアレンジし、更に新色の「Mazenta(マゼンタ)」「Tiger Eye(タイガーアイ)」を採用しました。ALには人気のあったBrass Redのバリエーションカラー「Brass Blue(ブラスブルー)」を追加しました。ボディをバーナーで炙ることでスワンプアッシュの木目を最大限に生かした 「Burner (バーナー)」は、SNAPPER-Sで採用され、人気もありましてのでSNAPPER-ASでも引き続き採用されました。

2008カタログ時のラインアップ

●SNAPPER-CTM

●SNAPPER-AL/R

●SNAPPER-AS/M

※本記事では、2003年発売のSNAPPER ファースト モデルの構造を解説しています。

(SNAPPER開発チーム メンバーK)

– つづく –

【合わせて読みたい】
◆ ESP SNAPPER-7 開発秘話

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