2003年12月のリリースより、ESP SNAPPER(スナッパー)シリーズは2023年で20周年を迎えることができました。おかげさまで皆様にご好評いただき、SNAPPERの満20周年Special Yearとなりました。
これから2024年にかけて、様々な企画やキャンペーンを計画しております!
こちらでは開発が始まった当時を振り返りながら製品開発時の秘話やこの仕様に至った経緯など、ちょっと別の角度からSNAPPERを深掘りしていきたいと思います。
随時更新していきますので乞うご期待ください!
[ 開発チームメンバーによるSNAPPER回顧録 ]
第一章 – 開発秘話&ヒストリー
-1- 【開発チームの招集】
現在、ESPは各音楽ジャンルのコアな部分をより的確にアジャストする楽器をデザインするブランド、またカスタムオーダーを軸とした個性的な楽器を製造するブランドとして世界的に認知をされています。
しかし、創業当時はコンポーネント的なアプローチを主体としており、非常に細かな部分でミュージシャンのニーズに対応する、繊細な楽器製作で地道にアーティストの評価を得てきたブランドだったのです。
それは2001年のある日のことでした。
数年後に創業30周年を迎えるにあたって、「一度原点に立ち返ってシンプルなコンポーネントギターを本気で設計してみないか?」という、ESP製品開発セクションリーダーの呼び掛けで、設計の得意なスタッフや工場の製作スタッフは勿論、ヴィンテージギターやハイエンドギターに精通した販売スタッフ、パーツの専門家など。何とも(いい意味で)口うるさい顔ぶれが招集されました。この各セクションのスペシャリストたちが、後にSNAPPERと呼ばれることとなるギターの開発チームであり、そのスタートでした。
「ESPが考える新しいスタンダードとは?」
数多あるSTスタイルのコンポーネントにどのような目的で、どのような設計を盛り込んでいくのか?
ESPが考える新しいスタンダードとは?と言い換える事が出来るかもしれません。
まず、非常に漠然としたイメージがありました。
開発チームの総意として、
“洗練された、上質を極めたSTスタイルのコンポーネント”
ではなく、
“頼りになる実用的なギター”
というヴィジョンがありました。
上質を極めた豪華な物ではないところがこだわり屋の開発チームらしいイメージでした。
現場での、「これ一本あればどんな現場でも何とかなる」 「どんな無茶ぶり」にも、「どんなヒラメキ(即興性)」にもアジャストできる実用性と対応力を秘めたギター、開発チームはこのギターに「ST Jam」という開発コードネームを付けました。
そのヴィジョンを骨格とし、ST Jamの定義と具体的な内容が議論されました。
- ストレスなく心地よく弾ける。取り回しが良い。弾いていて疲れない
- ピッキングやフィンガリングなど繊細なタッチへの反応力
- 各弦のテンション感の再構築
- 実用性の高いサウンド
- 多ジャンルへの対応性
- 高いプレイヤビリティ
- 安定したチューニング
- レコーディング ユースを想定したローノイズ
当たり前のことと言えば当たり前のことなのですが…。
開発チームに手間や都合は関係ありません。完全度外視です!
メンバー間では忖度無しで、多角的な議論と検討が行われていきました…。
(SNAPPER開発チーム メンバーK)
– つづく –
【合わせて読みたい】
◆ ESP SNAPPER-7 開発秘話