ESP SNAPPER 20th Anniversary Special Vol.7

2024/04/16

2003年12月のリリースより、ESP SNAPPER(スナッパー)シリーズは2023年で20周年を迎えることができました。おかげさまで皆様にご好評いただき、SNAPPERの満20周年Special Yearとなりました。
これから2024年にかけて、様々な企画やキャンペーンを計画しております!
こちらでは開発が始まった当時を振り返りながら製品開発時の秘話やこの仕様に至った経緯など、ちょっと別の角度からSNAPPERを深掘りしていきたいと思います。
随時更新していきますので乞うご期待ください!

[ 開発チームメンバーによるSNAPPER回顧録 ]

第一章 – 開発秘話&ヒストリー

-7- 【カラーの選定、そしてリリースへ】

細かなパーツなどの詳細が決定し、いよいよカラーラインアップの選定が始まりました。
エンターテイメントを担う道具として、ステージ上でのアピール、見た目の美しさは重要です。様々な角度から意見を出し合いカラーを設定していきました。

LA(Quilted Maple Topモデル)とNY(Alder Bodyモデル)でスターティング・ラインアップに決まったのはそれぞれ以下のカラーです。

LA (Quilted Maple Topモデル)
・See Thru Blue Sunburst
・See Thru Red Sunburst
・Honey Sunburst

NY (Alder Bodyモデル)
・Black
・3 Tone Sunburst
・Brass Red

[LA – Quilted Maple Top モデル]
LAのシースルーカラーはあえて明るめな色味で設定しました。
ステージ上ではライトがギタリストを捉えていない時もあります。
暗めのステージを想定し、どの瞬間でもギターを美しく見せる事を考えました。
せっかく杢目の美しいギターをプレイしているのですから、ピンスポットがどこを向いていようがくっきりハッキリ華やかに目立って欲しい。
部屋のクリアな蛍光灯白色のライトではなく、あくまでステージの暖色系のライトが当たった時にグッとくる色味になる事も意識しました。

SNAPPER-CTMのファーストロット。ピックアップに入れられているロゴが大きいのが特長。そしてボディバックのカラーも鮮やかなカラーを採用している。
See Thru Blue Sunburst:センター部分はメイプルの色味が出るくらいの薄めのブルー。
See Thru Red Sunburst:やや朱色がかった明るい赤。
Honey Sunburst:重厚感を出さずキャラメル寄りのハニーバースト。

 

[NY – Alder Bodyモデル]
NYに採用したカラーはLAとは対照的に渋めの設定です。
まずは定番の3 Tone Sunburst、Blackの2色をメインカラーとしました。
そして残る一色は落ち着いたトーンのラメ系カラーを用意しようという事になりました。

3 Tone SunburstとBlackについては説明不要かと思いますが、この2色にはラッカー塗装を採用しました。ラッカー塗装ならではの特有の鳴り感はやはり魅力的で、更には経年変化を楽しみながら長年プレイして育てて頂けたらという思いからの選択です。
(後々プロミュージシャン達からのご意見により、ステージ上での安定性と耐久性をより高める目的でポリウレタン塗装に変更されていきます。)

ラメのモデルにはBrass Redという赤系ラメカラーを新しく開発しました。
ラメ塗装は光を反射する粒子を吹き付けますが、表面を平らに仕上げるためにはどうしても塗膜が厚くなってしまいます。ラメを美しく輝かせながら塗膜を美しく仕上げるにはどうすればいいのか。厚さを抑えるための試作を繰り返し、最終的に一般的なラメとメタリックの間くらいの小粒のブラスカラーのラメを使う事にしました。大きな粒のラメは角度により光り方が変わってきますが、このラメは細かな粒子なのでどの角度でも偏りなくギラっと輝いてくれます。更に出来るだけ落ち着いた雰囲気に仕上げるべく、下地に黒を塗り、その上からラメを敷くという手法をとりました。
この手法は後にBrass BlueやBrass Blackなどのカラーバリエーションを生み出します。もちろん現在でもカラーオーダーで製作可能ですので、この渋派手な感じがお好きな方はぜひカラーオーダーをご利用ください。
(ラメのラッカー塗装は現実的ではないため、Brassシリーズはポリウレタン塗装になります。)

Black
3 Tone Sunburst
Brass Red

 

こうして遂に、材料や構造などの仕様、プレイヤー目線でのフィーリング、更には見た目にも大きくこだわり抜いた新しいギターのリリースの準備が整いました。
実はここまでの開発期間で実に2年に近い年月が過ぎてしまっていました。
ちょっと時間をかけすぎた感がありますが、パーツの新規開発を行い、机上の理論ではなく試作品を検証し、耳や感触で確認しつづけた結果でした。
今振り返っても大変手間のかかる開発でしたが、この後20年に渡り多くのプレイヤーに愛してもらえる製品ができたので苦労した甲斐があったと思います。

最終のまとめ作業のタイミングで開発チームのリーダーからおもむろに提案がありました。

「このギター”SNAPPER(スナッパー)”という名前はどうだろう」

SNAPPER。直訳すれば魚の「鯛」という意味です。
実はスラング的に「ガミガミ屋」「生意気なヤツ」という様な意味があるそうです。

「ESP社内のこだわりの強いガミガミうるさい小癪な奴らが喧嘩しながら作ったギターなんだからちょうどいいんじゃない?」
「ギター演奏や楽器そのものに強い興味を持つこだわり派のプレイヤー達にも弾いてもらいたいね」
なるほど。ぴったりです。

こだわり派のプレイヤーに納得して演奏してもらえるよう、とことんこだわりぬいて開発したギター。それがSNAPPERの名前に込められた思いです。

そして遂に2003年の12月、SNAPPERのファースロットが出荷されていったのです。

参考画像:SNAPPER広告 #1「キャッチコピーは「JAM? GIG? REC?」」

※本記事では、2003年発売のSNAPPER ファースト モデルの構造を解説しています。

(SNAPPER開発チーム メンバーK)

– つづく –

【合わせて読みたい】
◆ ESP SNAPPER-7 開発秘話

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