ESP : Maverick【27フレットの超高音!】ヤング・ギター製品レビュー

ヤング・ギター製品レビュー

2021年9月号のイチオシ製品

27フレットの幅広い音域

1989年に登場し、その取り回しの良さと幅広い音域で注目を集めるものの、2020年に一度生産終了となった“Maverick”が復活した。
生産終了直前はホワイト・アッシュを用いていたボディーは、誕生当初と同じくアルダーに変更。
一方で2006年のヴァージョンから採用された、セレクターがセンター・ポジション時に自動的にブリッジ・ハムバッカーがコイル・タップされる仕組みや、2008年ヴァージョンからの27フレット仕様などは引き継いでおり、いわば集大成的な復活モデルと言えるだろう。

実際に抱えてみると、やはりその小振りなボディーと独特なコンター加工によるフィット感は抜群で、軽量ということもありライヴ1本を楽々とこなせそうだ。
628mmのミディアム・スケールも本機の特徴で、弦のテンション感は若干緩めに感じるもののアタックの出方やピッチは申し分なし。
27フレットでもピッチのズレは感じず、しっかり音楽的に幅広い音域を使うことができた。
25フレット以降は通常のギターにはないポジションであり、またポジション・マークが低音弦側に打たれているため、音を把握するまでは若干迷いもしたが、独特な音色も含めて新たなフレーズを発想させてくれる面白みがあるだろう。

ネック・ピックアップは、シングルコイル・サイズのハムバッカーを搭載。
マウント位置の影響か従来のネック・ポジションの音色とは異なり、マイルドになり過ぎない感じがあり、リード時などではしっかりアタックのニュアンスも出せた。
また、ブリッジ・ピックアップとの音色の統一感もあるので、非常に使いやすいサウンドだ。
セレクターをセンターにした、ネック&ブリッジのコイル・タップ・サウンドも、やや出力は抑えられるもののシャープな音色で、カッティングなどで活用できるだろう。

YoungGuitar 2021年9月号より抜粋

Demonstraiton by 大橋英之

ESP MARVERIC

2021.08.05