モデルヒストリー ~JANGO~

主にリペアやカスタマイズ業務を行うショップとして1975年に誕生したESP。ショップにはその噂を耳にした多くのミュージシャンが連日訪れて賑わっていました。ある時、ギタリスト達から「ギターは作らないの?」と言われるように。ユーザーのニーズに応える。創業時に掲げられたポリシーの元、Navigatorブランドを立ち上げ、当時品質の低下が囁かれていた有名メーカーのレプリカモデルを発売します。抜群に高いクオリティは、瞬く間に業界内で話題となり愛用者が増えて行きました。すると次に求められたのは「オリジナルモデル」でした。そして誕生したのがESP初のオリジナルモデルTORROCCOとJANGOです。1978年頃の事です。特にJANGOは個体や資料などもほぼ残っておらず、その実態は謎に包まれている幻のモデルなのです。

唯一無二のオリジナルシェイプを持つJANGO。現在でも決して遜色ないそのルックスには風格さえ漂います。カタログには一切登場せず、決まった仕様も無かったJANGO。オリジナルモデルとしていますが、当時を知る数少ない関係者によると、試作の域を脱しないモデルだったとも言われていますが真相はいかに…。

さて、まずはシンコーミュージック刊ジャパン・ヴィンテージVol.5に掲載された2本のJANGOをご紹介します。この記事を見た時は衝撃でした。カラーでJANGOが見れるとは思っていませんでしたから。このギターの所有者は、現在ロンドンに在住している富岡秀次氏。ジャパン・ヴィンテージ本誌でも使われた、ご自身撮影の美麗な画像を提供していただきました。


まずはこちら。ここでは便宜上、タイプ1とします。
ボディはハードメイプルトップでマホガニーバックのラミネートで、ネックはマホガニー、指板はローズウッドです。JANGOのコンセプトの一つが「LP系サウンドに飽き足らない人のために」とあり、このタイプ1の仕様はまさにLP系サウンドを意識したものとなっています。ローズウッド製のエスカッションやコントロールノブ、バック材と同じ木材で作られたコントロールキャビティパネルなど、至る所に手の込んだ仕様が見受けられます。また、ボディトップはエッジ部分がかなり盛り上がった特徴のあるアーチ加工で、ボディバックに至ってはエッジ部分が盛り上がっており、まるでお盆のようなルックス。高度な木工加工技術が無ければできない加工です。ピックアップなどは恐らく国産のものが使われていると思います。


続いてこちら。タイプ2です。
ボディは2ピースシベリアンアッシュトップで1ピースシベリアンアッシュバック、ネックはハードメイプル、指板はローズウッドです。使用木材こそ違いますが、基本的にはタイプ1と同じ構造です。こちらもエスカッションなどがローズウッドで製作されています。(センターピックアップは所有者の富岡氏が購入直後に増設したそうです。)


他にもいくつか写真でその存在が確認できます。白黒なのが残念です。
ラージハムバッカーの方は富岡氏所有のタイプ2同じくシベリアンアッシュが使われている個体です。タイプ2とは木目が異なるので、別の個体であるのが分かります。タイプ2の仕様は最低でも2本存在していた事になりますね。
ミニハムバッカーが搭載されたものはコントロール位置が他の3本とは異なり、かなりボディエンド側に寄っています。また、指板にはブロックインレイが入れられています。画像からは分かり辛いですが、恐らくボディはハードメイプルトップだと推測されます。

世界にいったい何本存在するのでしょうか。もしかしたら富岡氏所有の2本だけかもしれません。
いやいや、JANGO持ってるよ!と言う方、いらっしゃいましたら是非ご連絡ください。

Special Thanks!!
フォトグラファー&ミュージック・ジャーナリスト 富岡秀次 / Shu Tomioka

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