HORIZONと並んでESPを代表するモデルであるM-IIシリーズは、トラディショナルなSTをスタイリッシュにアレンジしたディンキースタイルのギターです。M-IIの前身モデルであるMIRAGEが発売された1980年代中頃は、テクニカルなプレイを得意とするギタリストが多く出現し、またハードロックやへヴィメタルと言った音楽が世間を圧巻しており、スタイルに合った新しいギターを探していた多くのギタリストの中で話題となり愛用されました。メタリカのカークハメットモデルのKH-2や、スレイヤーのジェフハンネマンモデルなどは、このモデルを元に開発されました。
THE MIRAGEが登場したのは、HORIZONと同じく1984年の海外向けカタログでした。
このカタログに掲載されているのは、まだSTモデルを基本としたカスタムモデルで、指板やピックアップの違いによりスタンダード、デラックス、スペシャル、カスタムの4機種がラインアップされています。ブリッジにはFLICKER-IIが搭載されていました。また、この時採用されていた新しいヘッドストックは、通称ニューヨークヘッドと呼ばれ、以後さまざまなモデルに採用されることとなるオリジナルです。
1986年のNAMMで発表された新しいMIRAGEは、ボディシェイプがディンキースタイルにリファインされ、22フレットでボルトオン仕様、ピックアップがSHレイアウトのデラックス、24フレットでスルーネック仕様、ピックアップがSSHレイアウトのカスタムと2機種がラインアップされました。ブリッジにはロック式のESPシンクレアトレモロが標準装備されるなど、かなりハードロックやへヴィメタルに特化したギターへと変貌して行ったのです。
そして、以前スタンダードと呼ばれていた1ハムバッカーのモデルはM-I(「M」はMIRAGEの頭文字。MIRAGEの1ピックアップなのでM-I)とモデル名を変えて、スタンダード(STシェイプ)、デラックス(STシェイプ:なぜかピックアップはSSH配列)、カスタム(ディンキースタイル)の3機種がラインアップされました。余談ですが、この時代は某ギタリストの影響で1ハムバッカーのギターが大人気だったのです。
1987年にはHORIZONと同様にニューヨークシリーズの一機種として日本でも発売が開始されます。当時のカタログを見ると、MIRAGEのデラックスとカスタム、M-Iカスタムがラインアップされていました。
1989年頃には、メイプル指板のMIRAGEデラックスIIやM-IIIなどのバリエーションモデルも発売されますが、どれもその後の統廃合に伴い短期間で姿を消します。
1993年頃、ピックアップがSHレイアウトに変更されたカスタムがモデル名をMIRAGE M-IIに変更します(M-IIのモデルネーム自体は90年頃にUSAで既に使用。現在のM-IIデラックスの22フレット仕様のようなモデル)。ヘッドストックにも現在と同じナイフヘッドが採用されます。1997年頃には、デラックスが24フレットにマイナーチェンジを行い、モデル名がM-IIデラックスになります。同時にMIRAGE M-IIもM-IIカスタムと名称変更されました。ここでMIRAGEがモデル名から姿を消します。
この時期に海外で発売されていたボディの外周Rが大きいモデル。
このモデルではニューヨークヘッドが採用されています。
2000年にはカスタム、デラックスともにピックアップが2Hレイアウトに変更されます。
以降、コントロール部などに多少の仕様変更を行いながら現在に至ります。
プレイヤビリティも抜群で、無限のポテンシャルを秘めるM-IIシリーズ。
楽器店などで見かけたら是非手にとって、弾いてみてください。
あたりまえが素晴らしいのだと認識させてくれるギターですから。
ちなみに、M-Iは1987年のカタログに登場しただけで以降ラインアップから姿を消しています。
現在では輸出モデルの一機種としてラインアップされています。
また、その魂は後にJERKを誕生させる事になりました。
Release m1 again please..
I want to buy one!!♥